うさぎを飼っていると、旬のフルーツを「少しだけならあげても大丈夫かな?」と思うことがありますよね。特に桃や梨は、水分が多くて甘みもあり、人間にとってはとても魅力的な果物です。では、うさぎにとってはどうなのでしょうか?
結論から申し上げますと、桃や梨は少量であれば与えても大丈夫な果物です。ただし、あげ方や量には十分注意が必要です。うさぎの消化器官はとてもデリケートで、合わない食べ物を口にすると体調を崩してしまうこともあります。
今回は、うさぎに桃や梨をあげる際の注意点や適切な与え方について詳しくご紹介します。

桃・梨の栄養素とうさぎへの影響
まずは、桃と梨に含まれる主な栄養素について簡単に見てみましょう。
- 桃:ビタミンC、カリウム、食物繊維が豊富で、水分も多い果物です。抗酸化作用があり、利尿効果も期待されます。
- 梨:糖アルコールの一種であるソルビトールを含み、カリウム・食物繊維も豊富。こちらも水分が多く、体を冷やす性質があります。
どちらの果物も90%前後が水分で構成されており、夏の暑い時期などには水分補給の補助として役立つ側面もあります。ただし、果糖や糖アルコール(特にソルビトール)は、うさぎにとっては腸内バランスを崩しやすい成分です。
これらの成分を摂りすぎると、以下のようなリスクが考えられます:
- 腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れ、軟便や下痢を起こす
- 糖分の摂取過多による肥満や食欲不振
- 果物ばかり欲しがって、チモシーやペレットを食べなくなる「偏食グセ」
特に、こちらの記事でも詳しくご紹介しているように、糖分の多い果物はうさぎの腸内環境に負担をかける可能性があるため、与える際にはあくまでも「ごく少量」「頻度を限定」
フルーツの魅力に惹かれるうさぎさんも多いですが、健康を守るためには「ほどほど」が一番です。
実際に与える場合の注意点|量・頻度・皮・種など
うさぎに桃や梨をあげる際には、以下の点に十分注意しましょう。
- 与える量:1〜2口程度(約5g〜10g)が目安です。体の小さなうさぎにとっては、それでも十分な「おやつ」になります。
- 頻度:週に1〜2回までにとどめましょう。毎日与えると糖分過多になり、肥満や消化不良の原因になります。
- 皮:農薬が残っている可能性があるため、しっかり洗った上で皮をむいてから与えるのが安全です。
- 種や芯:絶対に与えないようにしてください。固くて喉に詰まる危険性があるだけでなく、桃や梨の種には微量の有害成分(アミグダリン)が含まれており、中毒の原因になります。
さらに、以下のような場合には与えるのを控えることをおすすめします:
- 体調が不安定なとき(下痢気味・食欲不振など)
- 換毛期などでお腹の調子を崩しやすい時期
- 肥満傾向や糖尿病のリスクがある場合
うさぎはとても繊細な動物です。一度食べて問題がなかったとしても、体調や季節によって反応が変わることもあります。最初は本当に少量から始めて、翌日のうんちや食欲の様子を必ず確認してください。
うさぎ用おやつの完全ガイドでも詳しくご紹介していますが、おやつはあくまでも主食の補助として考えるのが基本です。主食であるチモシーやペレットをしっかり食べた上で、プラスαのお楽しみとして「ごく少量だけ与える」のが理想です。

与えてはいけないケースとは?
桃や梨は少量であればうさぎに与えても問題ない果物ですが、以下のようなケースでは与えない方が安全です。
- うさぎがまだ生後3ヶ月未満の場合(消化器官が未発達)
- 軟便・下痢気味の時や食欲が落ちている時
- 糖尿病や肥満傾向のあるうさぎ
また、過去に果物を食べた際に体調を崩した経験がある子も、避けた方が安心です。体質によっては果物に含まれる成分が合わないこともありますので、最初に与える際は必ずごく少量で様子を見ることをおすすめします。
詳しくは、うさぎのサプリメント徹底レビューの記事でも触れていますが、健康維持のためにはまず「基本の食事」を整えることが何より重要です。
こはく・ひすいの反応と我が家での与え方
我が家のミニうさぎ「こはく」と、ネザーランドドワーフの「ひすい」にも、夏の時期にごく少量ずつ桃や梨をあげたことがあります。
こはく:好奇心旺盛で、匂いをかいだ瞬間にペロリと完食!
ひすい:こちらも桃や梨が大好きで、すぐに完食してしまいました。
どちらも与えた量が少量だったため、体調に悪影響はなく、うんちの状態もいつも通り健康的でした。
それ以来、夏の暑い時期にごく稀にご褒美としてあげる程度にとどめています。あくまでメインはチモシーとペレットであり、おやつは「特別なもの」として扱うよう心がけています。
おすすめの与え方と代替おやつの紹介
桃や梨をうさぎに与える場合は、以下のような方法で工夫すると安心です。
- できるだけ熟していて、甘みが強すぎないものを選ぶ:固すぎるものや追熟前の果実は消化に負担がかかる場合があります。
- 薄くスライスして与える:一度に食べる量を調整しやすくなり、食べすぎを防げます。
- 最初に与えるときは写真やメモで記録:その後のうんちの状態や食欲に変化がないかチェックできて安心です。
また、「果物系のおやつはちょっと心配…」という飼い主さんには、うさぎ用おすすめグッズ特集でご紹介している以下のような代替おやつもおすすめです:
- 自然素材のドライ野菜:キャベツ・にんじん・小松菜などを低温乾燥させた無添加タイプ。保存性が高く、与えやすいです。
- うさぎ専用の無添加ドライフルーツ:人間用ではなく、砂糖・添加物・オイルコーティングのないものを選びましょう。実は乾燥した桃や梨も市販されていますが、甘みが凝縮されているためごく少量をたまに与えるのがポイントです。
- チモシーでできたおやつ:チモシーベースのキューブやスナックタイプのおやつは、嗜好性と栄養バランスの両立が可能です。
乾燥果物は水分が抜けている分、糖分が濃縮されやすく、少量でも与えすぎになることがあります。必ず「うさぎ用」と明記された無添加商品を選びましょう。
これらの代替おやつは、果物に比べて糖分が少なく、日常的なおやつとしても取り入れやすいのがポイントです。季節の果物や乾燥おやつを上手に使い分けて、バリエーション豊かな「うさぎライフ」を楽しんでくださいね🐰
まとめ|うさぎの健康を守るためにできること
うさぎにとって、桃や梨はあくまでも「たまのお楽しみ」として与えるのが基本です。少量であれば楽しみとしてのメリットもありますが、健康を損なってしまっては本末転倒です。
以下のポイントを守って、安全に楽しみましょう:
- 必ず少量を与える
- 与える頻度は週1〜2回まで
- 皮と種は取り除く
- 体調が万全なときにのみ与える
うさぎの健康を第一に考えた食生活を心がけ、安心して一緒に夏を楽しみましょう🐰🍑🍐
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