リチャードソンジリスは、かわいい顔をしていますが、飼ってみると分かります。かなり本気で脱走します。
ケージに戻したはずなのに、気配がない。部屋を見回すと姿が見えず、嫌な予感がして窓の方を見る。
――気づけば、外に出ていた。そんな状況、想像したことはありませんか?
我が家では実際に、部屋んぽ中に網戸を突き破って屋外へ脱走する事件を経験しました。
ガラスケージで飼っているから大丈夫。窓は閉めているし、少しの間なら目を離しても平気。正直、どこかでそう思っていました。
結果は一瞬でした。脱走は「対策が足りなかったから起きた事故」ではなく、「起きる前提で考えていなかったこと」が原因だったと、あとから気づきました。
この記事では、網戸脱走という実体験をもとに、本当に意味があったリチャードソンジリスの逃走対策だけを整理しています。同じヒヤッとする思いを、誰にもしてほしくありません。

リチャードソンジリスは本気で脱走する動物です

リチャードソンジリスの脱走は、たまたま起きる事故ではありません。飼育していると分かりますが、彼らは「出られる可能性がある場所」を常に探しています。
人間が思っている以上に、体の使い方も、破壊力も、学習能力も高い動物なんです。
歯と顎の力が想像以上に強い
そのため、プラスチックや薄い金属、網戸のような素材は「障害物」ではなく、壊せる対象として認識されます。
人間の感覚で「これくらいなら大丈夫」と思う強度は、簡単に超えてきます。
突進・噛み・固定を組み合わせた行動を取る
脱走は偶然ではありません。リチャードソンジリスは、体当たり・前足での固定・前歯で一点を噛み続けるという動作を連続して行います。
この一連の行動が重なることで、短時間でも網や隙間を突破することがあります。見ていない間に起きるのは、この動きが非常に速いためです。
一度成功すると学習して繰り返す
一度でも「ここから出られた」という経験をする」と、同じ場所や構造を狙うようになります。
脱走は癖になります。これは性格の問題ではなく、行動特性によるものです。過去に脱走経験がある個体ほど、対策の基準を一段階上げる必要があります。
ガラスケージでも脱走は起きる理由

ガラスケージで飼育していると、「側面はガラスだし、金網ケージより安全だろう」と感じやすいと思います。実際、噛み破りや網抜けといった事故が起きにくいのは事実です。
ただしそれは、「脱走リスクがゼロ」という意味ではありません。ガラスケージ特有の弱点を理解していないと、思わぬ形で脱走につながります。
側面は安全でも、上方向は完全に別問題
ガラスケージの安心感は、どうしても「横からは出られない」という点に引っ張られがちです。
ジャンプ力があり、足場さえあれば一気に天井付近まで到達します。ガラスケージ=密閉というイメージは、上方向に関しては成り立ちません。
フタは「置いてあるだけ」では意味がない
ガラスケージのフタは、上に載せるだけの構造になっているものも多いです。
わずかなズレができた瞬間に、そこが脱走ルートになります。「ちゃんと閉めているつもり」でも、固定されていなければ安心とは言えません。
レイアウト次第で天井は簡単に届く
リチャードソンジリスにとっては遊びの延長でも、結果的にフタへ到達できるルートが完成します。高さそのものより、「どうやって登れるか?」を意識しないと危険です。
通気口や配線穴は見落とされやすい
体が柔らかいため、「頭が入った=通れる」と考えた方が安全です。見た目では小さく見えても、油断できません。
掃除や給餌の「一瞬」が最大のリスク
掃除中、給餌中、水替え中。ほんの数秒、目を離しただけで飛び出してくることがあります。ガラスケージは安心、という意識があるほど、この一瞬が無防備になります。

本当に効果があった脱走対策5つ

ここからは、実際に脱走を経験したあとに見直し「これは効果があった」とはっきり言える対策だけをまとめます。
特別な道具や難しいことはしていません。考え方と管理の仕方を変えただけで、脱走リスクは明らかに下がりました。
フタを完全に固定する
ガラスケージで最優先すべきなのが、フタの固定です。「乗せてあるだけ」「少し重たいだけ」の状態では不十分でした。
固定することで「押しても動かない」「持ち上がらない」状態を作ることが重要です。人が触って安心ではなく、ジリスが内側から全力で動いても問題ないか、という視点で考える必要があります。
天井に届く足場を作らない
脱走対策というと、高さばかり気にしがちですが、本当に重要なのは到達経路です。回し車、巣箱、給水器などは、配置次第で完璧な踏み台になります。
「ジャンプ力があるから仕方ない」ではなく、「どうやってそこまで登れるのか」を一つずつ潰していくことで、脱走の確率は大きく下がりました。
開閉時は必ず隔離する
掃除や給餌、水替えのたびにフタを開けることになります。この瞬間が、ガラスケージ飼育で一番危険でした。
そのため、開ける前に別容器へ移す、もしくは確実に押さえるなど、「開けている間は脱走できない状態」を先に作るようにしました。
このひと手間があるかないかで、安心感はまったく違います。
部屋んぽ中は窓・網戸エリアを完全に遮断する
部屋んぽは必要ですが、場所の選び方を間違えると一気に危険になります。
物理的に近づけない配置にすることで、「気づいたら窓の方へ向かっていた」という状況そのものを防げるようになりました。
人が見ていない状態を作らない
脱走は、ほぼ例外なく「人が見ていない瞬間」に起きます。
部屋んぽ中やケージ開閉中は、必ず人が在室し、視界に入れておく。結局のところ、この基本が一番確実な脱走対策でした。

実際に起きた脱走の流れ

あのときは、いつも通り部屋んぽをさせていました。特に変わった様子もなく、遊ばせていたはずでした。
ところが、ふと気づくと気配がありません。音もしないし、姿も見えない。「あれ?」と思って部屋の中を探し始めました。
いつも隠れる場所、よく行く物陰、入りそうなところ。一通り探しても、どこにもいません。この時点で、かなり嫌な予感がしました。
部屋を見回していると、ふと窓の方が目に入りました。念のため網戸の下を見てみると、そこが破られているのに気づきました。
見つかった瞬間は正直ほっとしましたが、そこからが大変でした。室外機の下は狭く、手を伸ばしても簡単には捕まえられません。無理に手を入れると、さらに奥へ逃げてしまいます。慎重に、時間をかけて、ようやく確保できました。
捕まえたあと、真っ先に思ったのは、「もし気づかなかったらどうなっていたんだろう」ということです。正直、ぞっとしました。
ケージ内では、上に登るような行動はほとんど見られません。そのため、脱走はしないだろうと、どこかで思っていました。
ただ、今回のことで分かりました。ひとたび外に出てしまえば、戻ってこない可能性の方が高いということです。
それ以降、部屋んぽ中は窓を開けないようにしました。暑いときは、迷わずエアコンを使うようにしています。脱走のリスクと比べれば、その方がよほど安全だと感じたからです。
リチャードソンジリスの部屋んぽで脱走につながりやすい場所

部屋んぽ中の脱走は、走り回っている最中に起きるわけではありません。
多くの場合、「いつの間にか近づいていた場所」がきっかけになります。しかも厄介なのは、飼い主が危険だと意識していない場所ほど、場所として成立してしまう点です。
実際に脱走を経験して分かったのは、一度入り込まれると姿を見失いやすい場所と、そのまま屋外につながってしまう場所は、部屋んぽ中に絶対に近づけてはいけないということでした。
- 窓・網戸まわり
- 押入れ
- クローゼット
- 家具の裏や壁との隙間
- 室外機につながる位置
- ドアの隙間・部屋の境目
- 足元の隙間や低い位置
これらの場所に共通しているのは「入った瞬間に状況が変わる」という点です。
姿が見えなくなり、どこにいるのか分からなくなり、確保しようとしても手が届かない、もしくは追うことでさらに奥へ逃げてしまいます。
部屋んぽ中は「今どこにいるか?」だけでなく「次に入り込める場所はどこか?」という視点で見ておかないと、
脱走までの距離は一気に縮まります。
まとめ

リチャードソンジリスの脱走は、特別なことではありません。
部屋んぽ中に気配が消え、探しても見当たらず、気づいたときには想定していなかった場所に出ている。今回の経験で、それが現実として起こり得ることを実感しました。
ケージの中では問題なさそうに見えても、外につながる場所が一つでもあれば、脱走の可能性はゼロにはなりません。特に窓や網戸のように「人間にとっては当たり前の設備」が、そのまま脱走ルートになることがあります。
実際に外へ出てしまったあと、確保できたのは本当に偶然でした。もし気づくのが少しでも遅れていたら、どうなっていたか分かりません。
だからこそ、脱走対策は「起きてから考えるもの」ではなく、「起きる前提で考えるもの」だと感じています。
部屋んぽ中は特に、どこに行くかではなく、どこに行かせてはいけないかを意識することが重要です。
同じようにリチャードソンジリスと暮らしている方が、この体験を知ることで、一度立ち止まって飼育環境を見直すきっかけになれば幸いです。

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