リチャードソンジリスは、その愛らしい見た目とチャーミングな仕草で、「飼ってみたい!」と思わせる魅力があります。ふわふわの尻尾、ちょこちょこした動きに癒されてしまいますよね。
でも、実際に飼ってみるとどうでしょうか?
・思いのほか強いかじり癖に部屋が傷だらけになった
・放置すると「ニオイが気になる…」と感じた
・回し車のサイズがすぐ合わなくなった
・性別によるケアの違いに戸惑った
・保険って本当に必要?と悩んだり…
この記事では、実際にリチャードソンジリス(愛称ライくん)を複数年飼育してきた経験から、
「これが困った!」というポイントを5つに絞ってご紹介します。
それぞれの対策アイデアやリンク先もまとめているので、これから迎える方や現在奮闘中の飼い主さんの役に立てば嬉しいです。

1. 強力なかじり・掘り癖に悩まされる

リチャードソンジリスと暮らしてまず驚いたのが、とにかく何でもかじる、そして掘るという本能の強さでした。
ライくんも例外ではなく、ケージの中でも外でも、目についたものをとにかくガジガジ…。
ただ、うちのライの場合は上の前歯が1本しかなく、しかも不正咬合で使っていない状態です。
そのため、かじる動作はあっても、他のジリスと比べて破壊力はかなり控えめです。
壁や家具が大きく傷つくようなことは、今のところほとんどありません。
かじり・掘り癖は完全には止められませんが、
● かじっても安全なおもちゃを与える
● 掘れるコーナーや毛布スペースを作る
などでストレスを減らしてあげるのがポイントです。
2. 発情期とニオイの変化に振り回される日々
うちのリチャードソンジリス「ライ」はオスなのですが、
発情期に入ると性格も体調もまるで別の生き物のようになります。
まず変化が現れたのはニオイ。普段はほとんど無臭に近いのに、急に強くて独特なニオイが出てきて、
部屋の空気がこもるような感じになります。さらに、睾丸が大きくなって黒く変色し、明らかに発情している状態が目に見えてわかりました。
「この状態、1週間くらいで落ち着くのかな」と最初は思っていました。
しかし実際は発情期が丸1ヶ月近く続き、想像以上に大変な日々でした。
「このまま食べなくなったらどうしよう…」
「また保温?点滴?通院?仕事どうしよう…」
そんな不安がずっと頭から離れず、食べる姿を見てホッとする日と、
何も食べずにじっとしている姿に胸が締めつけられる日が交互に続きました。
正直、「小動物だし、そんなに大変じゃないだろう」と思っていた自分が甘かったです。
かわいい見た目とは裏腹に、発情期は本当に手がかかるという現実を知った瞬間でした。
3. 飼育環境と道具選びに正解がなくて悩む
ジリスの飼育において意外と悩ましいのが、「どんな道具を使えばいいのか」という問題です。ペットショップやネットでは、かじり木やトンネル、砂浴び場、伽石など色々紹介されていて、「全部揃えないとダメ?」と焦ってしまう方も多いのではないでしょうか。
我が家のライの場合は、実はそんなに道具を買い替えていません。必要最低限のものを、様子を見ながら調整していった感じです。
最初はよくある金網ケージを使っていたのですが、掃除のしづらさや、かじったときの音・金属の隙間が気になって、途中でガラス製のケージに変更しました。これに変えてからは、ライも落ち着いて過ごしてくれるようになった印象があります。

寝床についても色々試しましたが、今では人間用のフットクッションをベッド代わりに使っています。
ふかふかしていて冬はあったかく、ライも気に入っている様子です。ペット用のものより、案外こういう身近なアイテムのほうが馴染むんですよね。
運動不足が心配だったので回し車も設置していますが、これもライが大きくなってからでも
ずっと使っているアイテムのひとつです。ジリスの成長に合わせた回し車の選び方についてはこちらの記事でも紹介しています。

逆に、かじり木や伽石などおすすめされて買ってみたものの、ライは全く使わなかったアイテムもありました。
かじらない、寄りつかない、気にも留めない…そんなこともよくあります。
結局のところ、「何が必要か」はその子によって本当にバラバラ。
いろんな情報に惑わされすぎず、その子の様子を見ながら調整していくのが一番だと思います。
4. 食の好みとペレット選びに振り回された話

特にライは、気分屋タイプ。前日までバクバク食べていたペレットを、急に口にしなくなることもあります。
発情期の時は特に顕著で、小松菜しか受け付けず、ペレット完全拒否の時期もありました。

ペレットの種類を変えてみたり、おやつと混ぜて与えてみたり…少しでも食べてくれるようにと、あの手この手で試行錯誤する日々。でも、そういうときに限って「気に入らない」と鼻でどかして無視されたりするのがまた悲しいんですよね…。
「みんなは何をあげてるんだろう?」と調べていくうちに、ペレットにも成分や粒の硬さ、匂い、原材料の違いなど、
選び方にコツや注意点があることを学びました。

食べてくれるものを見つけたときの安心感、逆に何も食べてくれない時の焦り。
ごはんって、想像以上に“飼い主のメンタル”に響くんですよね。
5. オドントーマで緊急事態!命がけの治療を乗り越えた日々
ライくんが去年、まさしく「命に関わる異変」に直面しました。
ある日、呼吸が苦しそうでお腹がずっと動いていて、すぐに病院へ。診てもらった結果、なんと鼻道を塞ぐ位置に、前歯が腫瘍化する形で生えているという「オドントーマ」と診断されたのです。
前歯自体は鼻の奥で、外から見るとわからず…。
それが原因でライは鼻呼吸ができず、苦しい中ずっとお腹を動かして頑張って呼吸していた。

この日以後、急遽手術を決断。手術前から獣医さんにすすめられて、酸素ゲージをレンタルして自宅で使いながら対応。術後もしばらく酸素ケアを続け、徐々に呼吸が落ち着いて元気を取り戻した姿には、どれほど救われたか分かりません。

まとめ|小さくても、大きな存在

かじる・掘る・騒がしい・臭い・食べない・噛む…
「可愛いだけ」ではとても乗り越えられない日も、正直ありました。
でも、それ以上に、寄ってきてくれた日・安心して眠る姿には、何度も救われました。
ライとの生活で気づいたのは、“困ること”の中にこそ、その子を理解するヒントがあるということ。
飼い主としての力不足を痛感しながら、それでも少しずつわかり合える時間が増えていく…
その過程こそが、かけがえのない喜びなのだと感じています。
この記事が、「これってうちだけ?」「どうしたらいいの?」と悩んでいる方の
ちょっとした参考や、心の安心につながれば幸いです。
コメント