「最近、あまり動かない気がする」「ごはんは食べてるけど、なんとなく様子が違う」リチャードソンジリスと暮らしていると、そんな小さな違和感を覚えることがあります。
でも、元気そうに見えるし、様子見でいいのか判断に迷ってしまう。その結果「もっと早く病院に連れて行けばよかった」と後悔するケースも少なくありません。
リチャードソンジリスは、体調が悪くてもそれを表に出しにくい動物です。肥満、腫瘍、歯の異常、呼吸器のトラブルなど、飼育下で起こりやすい病気もいくつかあり、気づいたときには症状が進行していることもあります。
実際に、我が家のリチャードソンジリスのライも、なんか変かも?という違和感がきっかけで病院を受診し、病気が見つかりました。
この記事では、リチャードソンジリスに多い病気や症状、そして飼い主が日常の中でどこを見ておけばいいのかを整理しています。同じように不安を感じている方の判断材料になれば幸いです。

リチャードソンジリスは病気に気づきにくい小動物

リチャードソンジリスは、多少の不調があっても行動を大きく変えないことが多く、 飼い主が異変に気づきにくい小動物です。
食欲が少し落ちていても、動いているように見えると「まだ大丈夫かな」と判断してしまいがちですが、 その裏で病気が進行しているケースもあります。
見た目が元気そうでも安心できない理由
リチャードソンジリスは本能的に弱っている姿を隠す傾向があります。 これは野生下で敵に狙われないための行動とされており、飼育下でもその性質は変わりません。
そのため、明らかにぐったりする、食べなくなるといった状態になった時点では、 すでに症状が進行している可能性があります。
「走っているから元気」「鳴いているから大丈夫」といった判断だけでは、 体の異常を見逃してしまうことがあります。
「なんとなく変かも?」が重要なサインになる
リチャードソンジリスの体調変化は、とても小さな違和感として現れることが多いです。 動きが少し鈍い、寝ている時間が増えた、食べ方が以前と違うなど、 はっきりとした異常ではない変化が最初のサインになることもあります。
「気のせいかもしれない」と感じる段階であっても、 その違和感を覚えている時点で、普段との違いが出ている可能性があります。 後から振り返ると、あの時が最初だったと気づくケースも少なくありません。
リチャードソンジリスによくある病気と体質的な注意点

リチャードソンジリスは元気に走り回る姿が印象的ですが、 体質的にはいくつか注意しておきたい病気があります。 飼育環境や食事内容の影響を受けやすく、症状が表に出にくい点も特徴です。
肥満(運動不足と食事内容に注意)
リチャードソンジリスは食欲が旺盛で、与えたものをよく食べます。一方で、飼育下では野生ほどの運動量を確保できないため、ペレットやおやつの与えすぎによって肥満になりやすい傾向があります。
肥満が進行すると、関節や腰への負担が増えたり、 呼吸が浅くなったりするなど、体への影響が出ることがあります。 また、体重増加は腫瘍など他の病気のリスクを高める要因にもなります。

腫瘍(しこりやふくらみは要注意)
リチャードソンジリスは、年齢を重ねるにつれて腫瘍が見つかるケースがあります。 皮膚の下に小さなしこりができたり、体の一部が不自然にふくらんだりするのが初期のサインです。
腫瘍には良性と悪性があり、見た目だけで判断することはできません。早い段階で発見できれば、経過観察や治療の選択肢が広がるため、日頃から体を触りながらチェックすることが重要です。

歯の病気(不正咬合・オドントーマ)
リチャードソンジリスの歯は一生伸び続けるため、かじる行動が不足すると、歯が正常に摩耗せずトラブルにつながります。 代表的なのが不正咬合や、歯の根に異常が起こる病気です。
中でもオドントーマは、歯の組織が異常に増殖し、鼻や目の奥を圧迫することで呼吸や食事に影響を与えることがあります。 食べにくそうにしている、口元を気にする仕草が見られる場合は注意が必要です。

呼吸器のトラブル(鼻水・呼吸音)
ホコリ、気温差、空気の乾燥などが原因で、くしゃみや鼻水、呼吸音の異常が見られることがあります。 初期は軽い症状に見えても、悪化すると重い呼吸器疾患につながる場合があります。
呼吸が早い、ゼーゼー音がする、口を開けて呼吸するなどの様子が見られた場合は、 早めに動物病院へ相談することが重要です。
皮膚トラブル(脱毛・かゆみ・かさぶた)
ダニや真菌(カビ)、アレルギー、乾燥などが原因で、 脱毛やかゆみ、かさぶたができることがあります。 発情期にグルーミングが過剰になることで、症状が出る場合もあります。

部分的な脱毛や赤みが見られた場合は、 放置せず原因を特定するために受診を検討すると安心です。
病気のサインを見逃さないために

リチャードソンジリスは、体調が悪くても普段通りに振る舞おうとすることが多く、はっきりとした異変が出たときには、すでに病気が進行しているケースもあります。
そのため、明らかにおかしい状態になる前の小さな変化に気づけるかどうかが重要になります。
すぐに注意したい体調変化のチェック項目
日常の中で、次のような変化が見られた場合は注意が必要です。 一つひとつは些細に見えても、体調不良のサインである可能性があります。
- 食欲にムラが出る、食べるスピードが遅くなる
- 体重が短期間で増減する
- 動きが鈍くなる、寝ている時間が増える
- 呼吸が早い、音がする、苦しそうに見える
- 顔や首まわりに左右差やふくらみがある
- うんちの量や形が変わる、下痢や便秘が続く
- 毛が抜ける、かさぶたができる、体をかゆがる
これらの変化が重なっている場合や、数日続く場合は、 早めに動物病院へ相談することが安心につながります。

毎日できる観察ポイント
特別なことをしなくても、毎日の生活の中で確認できるポイントがあります。 習慣として続けることで、「いつもと違う」に気づきやすくなります。
- ごはんを食べる量や様子に変化はないか
- 顔つきや目の開き方がいつも通りか
- うんちの量・形・色に異常はないか
- 毛並みや体のにおいが変わっていないか
我が家では、毎日の体重測定と顔の左右を見比べる習慣を続けていました。 その積み重ねがあったことで、普段との違いに早く気づくことができたと感じています。
我が家のリチャードソンジリス「ライ」が経験した病気
ここまで紹介してきたように、リチャードソンジリスはさまざまな病気のリスクを抱えています。それは「特別なケース」ではなく、どの家庭でも起こり得ることだと感じています。
我が家で飼育しているリチャードソンジリスの「ライ」も、その一例でした。
異変に気づいたきっかけ
最初に感じたのは、なんとなく様子が違うという違和感でした。 食欲が極端に落ちたわけではなく、動けなくなったわけでもありません。
ただ、以前と比べて動きが鈍く、呼吸が少し苦しそうでお腹で呼吸をしている瞬間がありました。
はっきりとした異常がない分、受診を迷いましたが、「気のせいかもしれない」と流すのは不安が残る状態でした。 結果的に、この違和感の段階で病院へ相談したことが重要だったと感じています。
診断内容と治療までの流れ
動物病院で検査を受けた結果、ライはオドントーマ(歯の腫瘍)と診断されました。ライはお迎えした時から上の前歯が1本しかありませんでした。生えてこなかった歯が鼻道を塞いでしました。
そのせいで鼻の奥や周辺を圧迫することで、呼吸に影響が出ていた状態でした。
診断後は、治療方針の説明を受け、手術とその後のケアが必要になりました。経過観察や術後管理も含め、短期間で終わるものではなく、飼い主側にも継続した対応が求められる内容でした。
実体験から感じたこと
振り返ってみると、「もっと明確な症状が出てから」では遅かった可能性があります。 ライの場合は、違和感の段階で行動したことで、 治療につなげることができました。
リチャードソンジリスの病気は、飼い主の判断ひとつで結果が変わることがあります。 日々の観察と、「おかしいかもしれない」と思った直感を軽視しないことが、 大切だと強く感じています。
リチャードソンジリスを診てもらえる病院の探し方

リチャードソンジリスは、犬や猫とは異なりエキゾチックアニマルに分類されます。 そのため、すべての動物病院で診察や治療を受けられるわけではありません。
体調不良に気づいてから病院を探し始めると、選択肢が限られてしまうことがあります。
エキゾチックアニマル対応が必要な理由
リチャードソンジリスは、体の構造や病気の傾向が犬猫とは大きく異なります。 歯の構造、麻酔のリスク、薬の量なども専門的な知識が必要となるため、 診療経験のない病院では対応が難しい場合があります。
特に歯の病気や腫瘍、呼吸器トラブルは、 エキゾチックアニマルの診療実績がある病院でなければ、 正確な診断や適切な治療につながらないことがあります。
病院選びで確認しておきたいポイント
いざという時に慌てないためにも、事前に以下の点を確認しておくと安心です。
- 公式サイトや案内に「エキゾチックアニマル診療」の記載があるか
- リチャードソンジリス、モモンガ、うさぎなどの診療実績があるか
- 口コミや体験談で小動物の治療例が紹介されているか
- 電話で「リチャードソンジリスの診察経験があるか」を確認できるか
我が家の場合も、事前に病院を調べていたことで、 異変に気づいた際にすぐ相談することができました。 病院選びは、病気になってからではなく、 元気なうちに準備しておくことが大切だと感じています。

病気を防ぐために飼い主ができること

リチャードソンジリスは、自分から体調不良を訴えることができません。そのため、病気を完全に防ぐことは難しくても、 進行を早めに止めたり、重症化を防いだりすることは可能です。
日々の飼育の中で意識するポイントが、健康状態に大きく影響します。
日常ケアで意識したい管理ポイント
毎日の生活の中で、次のような点を意識することで、 体調の変化に気づきやすくなります。 特別な器具や知識がなくても、続けられる内容です。
- 毎日または定期的に体重を測り、増減の傾向を把握する
- 顔や体に左右差や不自然なふくらみがないか確認する
- 牧草やかじり木を用意し、歯の自然な摩耗を促す
- 高カロリーなおやつは控えめにし、肥満を防ぐ
- ケージ内を清潔に保ち、ホコリや湿気をためない
これらを習慣にすることで、「昨日までと違う」変化に 早い段階で気づける可能性が高まります。
年齢に応じて変えたい健康管理の考え方
リチャードソンジリスは、年齢とともに病気のリスクが変化します。 若いうちは活動量が多くても、年齢を重ねるにつれて 腫瘍や歯のトラブルが見つかるケースが増えてきます。
特に3歳を過ぎた頃からは、まだ元気だから大丈夫と判断せず、 体調管理の意識を一段階高めることが重要です。 可能であれば、半年から1年に一度の健康チェックを受け、 歯や内臓、体重の状態を確認しておくと安心です。
まとめ|「なんか変かも?」を信じてあげて

リチャードソンジリスは、見た目が元気そうでも体調不良を隠してしまう小動物です。 そのため、明らかな症状が出てから行動すると、 治療が難しくなってしまうケースもあります。
「少し動きが違う気がする」「呼吸がいつもと違う」 そんな曖昧な違和感こそが、最初の大切なサインになることがあります。
気のせいかもしれないと流してしまうか、 一度立ち止まって様子を確認するかで、その後の結果は変わります。
我が家のリチャードソンジリス「ライ」も、 はっきりした異常が出る前の違和感が受診のきっかけでした。 あのとき行動していなければ、結果は違っていたかもしれません。
毎日の観察、体重管理、病院の事前確認。 どれも特別なことではありませんが、 積み重ねが小さな命を守る力になります。
この記事が、「これって大丈夫かな?」と迷ったときに、 一歩踏み出す判断材料になれば幸いです。 あなたとリチャードソンジリスが、少しでも安心して過ごせる時間につながることを願っています。
出典・参考資料
- 齧歯類の歯疾患(不正咬合・オドントーマ) Merck Veterinary Manual
- 小型哺乳類の肥満と健康リスク BSAVA Manuals
- エキゾチックアニマルの早期発見の重要性 LafeberVet

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