突然動かなくなったうさぎ…それは腸閉塞のサインでした

「さっきまで元気だったのに、急に動かなくなった…」
そんな経験をされた飼い主さんは少なくないかもしれません。
うさぎは被食動物のため、体調の悪さを隠す習性があります。だからこそ、異変に気付いたときにはすでに深刻な状態になっていることもあります。

今回は、我が家のミニうさぎ「こはく」が腸閉塞になったときの体験談を記録します。
兆候が出るわずか1時間前まで普段通り過ごしていたのに、急変。
夜間救急から手術、そして退院までの経緯を、同じようにうさぎと暮らす方々の参考になればと思い、詳しくお伝えします。

突然訪れた異変

2025年の夏。こはくは朝からいつも通り牧草を食べ、ボール遊びをし、撫でてほしそうに近寄ってくる元気な姿を見せていました。
昼間の部屋んぽでも軽快に走り回り、この日も平和に終わるはずだと思っていました。

ところが夜、部屋んぽ中に急な変化が訪れます。
こはくが部屋の隅に入り込み、そのまま動かなくなったのです。
「疲れたのかな?」と思ったものの、呼んでも来ない、目の輝きがない、身体を丸めてじっとしている──この異変を見て、胸がざわつきました。

1時間前まで普通に食べていたのに…。この急変のスピードが、事態の深刻さを物語っていました。

夜間救急での診断

迷っている時間はないと判断し、すぐに夜間救急の病院へ。
診察とレントゲンの結果は「腸閉塞」。腸の一部が詰まり、食べ物やガスが通れなくなっている状態でした。放置すれば数時間〜半日で命に関わる危険があると説明されました。

その場で点滴や薬など、救急でできる限りの処置を受けましたが、夜間の段階では大きな改善は見られません。
獣医師からは「明日までに変化がなければ、より高度な処置や手術が必要になる」と告げられ、不安な夜を過ごすことになりました。

翌日の状態悪化と手術の決断

翌朝、かかりつけの病院に直行しました。
再びレントゲンを撮ると、昨夜よりも腸の詰まりが進行し、ガスも多く溜まっている状態でした。
獣医師は「このままでは危険。点滴でお腹は柔らかくなってきているが、💩が出ない以上、閉塞は解消されていない」と説明。

最終的に、手術を行うしかないという判断に至りました。

前回の腸閉塞では点滴で改善したため、今回も同じように回復するのでは…という淡い期待がありました。
しかし今回は詰まりが強く、物理的な障害を取り除かなければ改善しない状態だったのです。

うっ滞・腸閉塞・胃拡張の違い(詳説)

※迷ったら即受診が原則です。特に「急な無食・無糞・強い痛み・お腹の膨らみ」は緊急です。
自己判断で強制給餌消化管運動薬の投与を行うと、腸閉塞や胃拡張を悪化させる恐れがあります。

状態ざっくり言うと典型サイン緊急度初動
うっ滞腸の動きが落ちて停滞食欲↓・糞が小さい/減る・元気↓中〜高(放置で悪化)すぐ受診。水分・繊維を確保(閉塞疑いがあれば中止)
腸閉塞毛玉/異物などで物理的に詰まる急な無食・無糞・激しい痛み・落ち着かない/ぐったり最優先の緊急(半日内で致命的)直ちに受診。絶対に強制給餌しない
胃拡張胃がガスで急膨張しショック腹部パンパン・呼吸速い・動けない・短時間で急変超緊急(数時間で致命的)至急受診。減圧・ショック治療が必要

うっ滞(消化管うっ滞)

  • 何が起きている? 腸運動が低下し内容物とガスが滞る。放置で閉塞や胃拡張に進むことがある。
  • 引き金 換毛期の飲毛・繊維不足・水分不足・急な食事変更・ストレス(環境/発情/暑熱)・痛み(歯、関節、内臓)など。
  • サイン 食欲不振、糞が小さい/間隔が空く、背中を丸める、活動性低下、軽い歯ぎしり。
  • 自宅での初期対応 牧草と水を常備、落ち着いた環境、軽い腹部マッサージ(痛がる/張っている時は中止)。
    ※「急に全く食べない」「完全に糞が出ない」「強い痛み」なら閉塞疑い→自宅対応は止めて受診。
  • 病院での処置 画像検査、輸液、鎮痛、消化管運動薬、栄養管理、ガス対策、原因(歯・痛み)治療。

腸閉塞

  • 何が起きている? 毛玉や異物、固い内容物が腸を物理的に塞ぐ。通過障害で上流にガスが貯留。
  • 原因 換毛期の大量の飲毛、布/ゴム/プラの誤飲、乾いたペレットの一気食い、トウモロコシ等の固まりやすい食材。
  • サイン 突然の完全無食・無糞、強い痛み(歯ぎしり/姿勢を変え続ける/足ダン)、落ち着かない→ぐったり、腹部膨満。
  • 絶対NG 強制給餌、自己判断の運動促進薬、無理な腹部マッサージ、遅延。
  • 病院での処置 レントゲン/エコーで部位確認、輸液、鎮痛、減圧、必要なら内科的解除の試み。改善せず/完全閉塞は外科手術
  • 時間軸 半日〜数時間で致命的になり得る。夜間でも迷わず救急へ。

胃拡張

  • 何が起きている? 胃にガスや内容物が急速に貯留して膨張。圧迫で血流低下→ショック。
  • サイン お腹がパンパン、呼吸促迫、苦悶、動けない/意識反応鈍い、急速悪化。
  • 病院での処置 酸素・ショック対処、胃減圧(チューブ/穿刺)、強力な鎮痛・輸液、原因(閉塞)への手術対応。
  • 注意 自宅でできる安全な対処はありません。直ちに受診。

家庭でのチェック

  • 糞の量と形 小さくなる/減る=うっ滞疑い。完全に出ない=閉塞を最優先で疑う
  • 痛みの強さ 姿勢を頻繁に変える、強い歯ぎしり、触ると嫌がる=閉塞/胃拡張の可能性。
  • 腹部の張り 明らかな膨満や鼓音=閉塞/胃拡張を疑い、すぐ受診
  • 経過の速さ 「1時間前まで元気→急変」は閉塞・胃拡張を強く示唆。
  • 嘔吐 うさぎは解剖学的にほぼ嘔吐できません。よだれ/口の泡は痛みや悪心のサイン。

換毛期のリスクと注意点

うさぎにとって換毛期は年に数回訪れる自然な生理現象ですが、この時期は腸トラブルのリスクが一気に高まります。
特に長毛種や高齢うさぎ、もともと飲水量が少ない子は注意が必要です。

なぜ換毛期が危険なのか

  • 毛づくろいの際に大量の毛を飲み込む
  • 毛は消化されず腸内に残るため、毛玉となって詰まりやすい
  • 毛玉は牧草の繊維や水分と絡まり、硬くなって通過障害を起こす
  • 腸運動が低下しやすい子では、毛がガスの停滞も引き起こす

リスクを高める要因

  • ブラッシング頻度が少ない
  • 牧草摂取量が少ない(ペレットやおやつに偏る)
  • 飲水量が少ない(ボトルしかない/水がぬるい・古い)
  • ストレスや運動不足で腸の動きが鈍くなっている
  • 過去にうっ滞や腸閉塞を起こしたことがある

予防のための具体的な工夫

  • 毎日ブラッシング:特に背中・腰・お尻周りは念入りに。グローブ型やコームを使い分ける。
  • 常時牧草を用意:チモシー1番刈りなど繊維質の多いものを主食に。
  • 水分補給を工夫:ボトル+皿の併用、野菜からの水分摂取、ぬるま湯の提供。
  • 運動させる:部屋んぽやケージ外で体を動かすことで腸の蠕動を促す。
  • 毛球症対策のサプリや牧草も状況に応じて利用(ただし過信は禁物)。

こはくの場合

今回の腸閉塞の原因は、過去最大と言える換毛期でした。
グローブ型ブラシで「よく抜ける」と感じてはいたものの、それ以上に飲み込んだ毛が多く、腸内で詰まりを起こしてしまったのです。
過去にも換毛期に腸閉塞を起こしたことがあり、その時は点滴で改善しましたが、今回は毛の量と硬さが原因で手術が必要となりました。

この経験から、換毛期は「いつもより一段階上の警戒態勢」が必要だと痛感しました。
抜け毛の量・牧草や水の摂取量・糞の大きさや形を、毎日欠かさず観察することが予防の第一歩です。

緊迫の手術とその後

手術は夜に行われました。全身麻酔という大きなリスクがあり、不安で胸が締め付けられるような時間を過ごしました。
数時間後、獣医師から「無事に手術が終わりました」との言葉を聞いた瞬間、全身の力が抜けるほど安堵しました。

翌日には💩が出て、退院。治療費は約20万円と高額でしたが、命には代えられません。
現在こはくは順調に回復し、得意のボール遊びや「撫でて」の催促も毎日見せてくれるようになりました。

腸閉塞を防ぐためにできること

今回の経験を通して、うさぎの腸閉塞は本当に突然やってくることを痛感しました。
特に換毛期や食欲減退のサインを見逃さないことが何より大切です。

  • 換毛期は毎日ブラッシングし、抜け毛を減らす
  • 常に新鮮な牧草と水を用意する
  • ペレットやおやつは与えすぎない
  • 日々の糞の形・量をチェックする
  • 少しでも元気や食欲がない場合はすぐ受診

うさぎは体調不良を隠す動物です。
「まだ大丈夫だろう」という判断が命取りになることもあります。
早期発見・早期治療が、うさぎの命を守る最大のポイントです。

日常が戻ってきたこはく

現在、こはくは完全に元気を取り戻し、得意のボール遊びも再開しました。
調子が悪いときは近寄ってこないのですが、今では毎日のように「撫でて」と催促しに来てくれます。
何気ない日常が、どれほど大切でありがたいものかを改めて実感しました。

YouTubeで動画公開中

今回の腸閉塞から手術、そして回復までの様子を、YouTubeでもご紹介しています。
ざっくりとした内容ですが、同じようにうさぎと暮らす方には参考になるかもしれません。

ぜひご覧いただき、チャンネル登録もよろしくお願いします。

まとめ|日々の観察と早期対応が命を守る

うさぎの腸閉塞は、本当に突然やってきます。
今回のこはくのケースも、1時間前まで元気だったのに急変し、翌日には手術を受けるほどの重症になっていました。

うっ滞・腸閉塞・胃拡張は連続して悪化することが多く、症状が似ているため見極めが難しいですが、いずれも早期の受診が生死を分けます。
特に換毛期はリスクが高く、日々のブラッシングや水分・繊維の摂取が欠かせません。

普段から食欲や糞の状態を観察し、少しでもおかしいと感じたら迷わず病院へ。
何気ない日常を守るために、日々の小さな気づきと素早い行動が、うさぎの命を救います。

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