特に“ひどい換毛期”には要注意です。我が家のミニうさぎ・こはくも、これまでに何度か換毛期を経験しましたが、今年は過去最悪とも言えるほどの毛の抜け方で、結果として腸閉塞にまで発展してしまいました。手術を受けるほどの事態になり、換毛期の怖さを改めて痛感しました。
もちろん、すべてのうさぎが換毛期に体調を崩すわけではありません。ひどい時とそうでない時があるのはなぜなのか?そして飼い主ができる「うっ滞予防のケア」とは何なのか?今回は実体験を交えながら詳しく解説します。

換毛期はなぜ危険なのか?
換毛期はうさぎにとって自然な生理現象ですが、実は体調を崩す大きな原因にもなります。特に「ひどい換毛期」の場合、大量の毛を飲み込んでしまうことで胃腸に負担がかかり、うっ滞や腸閉塞といったトラブルに発展しやすいのです。
ひどい時と穏やかな時がある理由
- 季節や気温の変化: 春と秋の大換毛期は特に抜け毛が激しくなります。
- 年齢や体質: 高齢になると毛の生え変わりが不安定になり、一度に大量に抜けることがあります。
- 栄養状態や体調: 食事や健康状態によって毛並みが変わり、抜け方にも差が出ます。

ひどい換毛期はうっ滞のリスクが高まる
そして、うっ滞が悪化すると腸閉塞にまで進行するケースもあります。実際、我が家のこはくも今年の換毛期は異常なほど毛が抜け、最終的に腸閉塞を起こして手術を受けることになりました。
軽い換毛期でも油断は禁物

うっ滞を防ぐための毎日のケア
こまめなブラッシングで毛を減らす
換毛期の基本はやはりブラッシングです。抜け毛を取り除くことで、うさぎが飲み込む毛の量を減らすことができます。特に背中やお尻まわりは毛が抜けやすく、放置すると毛玉ができてしまうことも。毎日少しずつでもブラッシングしてあげることが大切です。
ライフスタイルに合わせて使いやすいブラシを選ぶと続けやすくなります。おすすめのグッズはこちらで紹介しています。
食物繊維をしっかり与える
うっ滞予防に欠かせないのがチモシーを中心とした繊維質の多い食事です。繊維は腸の動きを活発にし、毛が体内にとどまるのを防いでくれます。換毛期にはペレットよりも牧草を優先して与えることを意識すると安心です。
おやつをあげる場合も、繊維を補えるタイプを選ぶとより効果的です。

水分補給を工夫する
腸の動きをスムーズに保つためには水分も欠かせません。飲み水が減っている時期は、野菜から水分を摂らせたり、ペレットをふやかして与えるのも有効です。我が家では、換毛期は特に飲水量をチェックするようにしています。
健康チェックを習慣にする
どれだけケアをしていても、完全にトラブルを防ぐことはできません。だからこそ、日常的な健康チェックが重要です。食欲や排便の量・形を観察するだけでも、うっ滞の初期サインに気づくことができます。
具体的なチェック方法はこちらでまとめています。→ うさぎの健康チェックガイド

我が家の体験談(こはく・ひすいの場合)
こはくは換毛期に腸閉塞で手術した
手術前日まで元気に見えていたのに、突然状態が悪化したのは本当に恐ろしい経験でした。「もっと早く異変に気づいていれば…」という後悔もありますが、同時に「換毛期は本当に油断できない」と身をもって知ることになりました。体験談の詳細はこちらでまとめています。
ひすいも過去にうっ滞を経験した
診察では「不正咬合の疑いがある」と言われ、歯のカットを勧められたのですが、私はどうしても腑に落ちず、「これはうっ滞ではないか」と伝えて点滴と薬だけをお願いしました。翌日いつもの病院に連れて行ったところ、やはりうっ滞と診断され、すでに症状は改善していました。
このように、同じうさぎでも体質や体験はさまざま。ひどい換毛期に腸閉塞まで発展したこはくと、軽度のうっ滞で済んだひすい。両方の体験を通して「換毛期は決して油断してはいけない」と改めて痛感しました。
異変を感じたらすぐ病院へ
こんな症状は危険サイン
換毛期は多少食欲が落ちたり、排便が減ることはありますが、明らかに普段と違う様子が見られたら注意が必要です。以下のような症状が出たら、早めに病院を受診しましょう。
- 食欲が落ちて牧草やペレットをほとんど口にしない
- 排便の量が減った、またはコロコロが極端に小さくなった
- お腹を痛がるように丸まって動かない
- 歯ぎしりのような音を立てる
これらはうっ滞の代表的なサインで、放置すると腸閉塞など重症化につながる危険があります。

病院での処置
うっ滞や腸閉塞が疑われる場合、病院では主に以下のような処置が行われます。
- 点滴で水分や栄養を補給し、腸の動きを促す
- 整腸剤や胃腸の動きを助ける薬を投与する
- 必要に応じてレントゲンや血液検査で詳しく調べる
- 腸閉塞など重症例では外科手術が必要になることもある
我が家のこはくの場合も、点滴や薬での治療では改善せず、最終的に腸閉塞と診断されて手術を受けることになりました。逆に、ひすいは点滴と投薬で改善し、翌日には元気を取り戻しています。同じ「換毛期のトラブル」でも、状態によって処置は大きく異なるのです。
セカンドオピニオンも視野に
病院によって診断や対応が異なることもあります。ひすいのときに「不正咬合」と診断されかけた経験からも、飼い主自身が普段の様子をよく観察し、「うちの子は換毛期でこういう症状が出やすい」と伝えることがとても大切だと感じました。必要に応じてセカンドオピニオンを求めることも、うさぎの命を守る手段のひとつです。

まとめ|換毛期を乗り越えるために
日常的なブラッシング、繊維質の多い食事、水分補給、そして健康チェック。どれも地道なケアですが、積み重ねることで大きなトラブルを防ぐことができます。我が家のこはくのように腸閉塞に至ってしまうケースもあれば、ひすいのように軽い症状で回復するケースもあります。個体差が大きいからこそ、飼い主が「うちの子の傾向」をよく観察しておくことが何より重要です。
そして、少しでも「おかしい」と思ったら、すぐに病院へ。早期対応ができれば、重症化を防ぎ命を守ることにつながります。換毛期を正しく理解し、日頃のケアを心がけることで、うさぎと一緒に安心して乗り越えていきましょう。

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