「せっかくお迎えしたのに、全然懐いてくれない…」そんな風に悩んでいませんか?
リチャードソンジリスは、その愛らしい姿に惹かれて飼い始める方が多い一方で、「思ったより懐かない」「触らせてくれない」という声もよく聞かれる動物です。
小さな体で活発に動き回る姿は可愛いですが、性格や習性を理解していないと、飼い主にとって戸惑いの連続になってしまいます。
我が家のライも、最初は全く近づいてきませんでした。手を差し出せば逃げてしまい、声をかけてもケージの隅に隠れてしまう…。うさぎを飼っていた経験があったので「小動物はもっと人懐っこいのでは?」と期待していただけに、当初は不安や戸惑いを強く感じたのを覚えています。

なつかないってどんな状態?主な原因はこれ!
敏感で臆病な性格が影響している
そのため、飼い始めてすぐに「手からごはんを食べてくれる」「撫でさせてくれる」といったスキンシップを期待してしまうと、裏切られたような気持ちになるかもしれません。
我が家のライもお迎え直後は、私の姿が見えるだけで逃げ回り、近づくことすらできませんでした。しばらくは「この子とは心を通わせられないのでは」と落ち込んだものです。

ですが、これは決して珍しいことではなく、むしろ“普通の姿”と言えます。臆病さはリチャードソンジリスの性質であり、最初からべったり懐くことの方が少ないのです。
一方で、中にはとても人懐っこい性格の子もいます。飼い主の姿を見ただけで駆け寄ってきたり、膝の上で落ち着いてくれる子も存在します。
私自身も以前の記事で触れましたが、ライ(オス)は発情期を除けば比較的おっとりしており、少しずつではありますが手からおやつを食べてくれるようになりました。
反対にメスを飼っている飼い主さんからは「なかなか懐かない」「触らせてくれない」という声も多く聞かれます。
発情期による行動の変化
もうひとつ大きな要因は「発情期」です。普段は比較的おとなしい子でも、この時期になると気性が荒くなったり、近づいただけで噛みつこうとすることがあります。
ホルモンの変化で行動が不安定になるのは自然なこと。ライも発情期の1ヶ月間は、足を狙って噛んでくるほどで、なでるどころか手をケージに入れるのも一苦労でした。
「なつかない」というよりも「今はそういう時期」という捉え方をすることで、余計なストレスを減らすことができます。発情期の変化については、こちらで詳しく解説しています。

環境の変化や飼育環境の影響
我が家のライも、掃除機の音や外の工事音が続いたときには数日間ケージの隅から出てこなくなったことがありました。慣れやすい子でも、環境の影響で一時的に懐かなくなることがあるのです。
個体差とお迎え時の背景
SNSで「すぐ手に乗ってきた」という体験談を見かけるのも、こうした背景の違いが関係しています。
つまり、「なつかない」と一言で言っても理由はさまざま。性格、発情期、環境、そしてお迎え時の背景が複雑に絡み合っているのです。だからこそ、焦らずひとつひとつの要因を見極めることが、信頼関係づくりの第一歩になります。

慣れさせるためにまずやるべきこと
無理に触らず、距離を保って見守る
お迎え直後に「早く手に乗せたい」「撫でたい」と思う気持ちは自然ですが、いきなり触ろうとすると逆効果です。リチャードソンジリスにとって人の手は大きく、最初は捕食者のように感じてしまうこともあります。
我が家のライも、最初の頃は手を差し入れるだけで逃げ回っていました。そこで2週間ほどは無理に触らず、ケージ越しに名前を呼んで餌を置くだけの関わりを続けた結果、ようやく私の存在に慣れてきたのを感じました。
徐々にご褒美で心理的な距離を縮める
少し落ち着いてきたら、おやつを上手に活用しましょう。えん麦やフリーズドライのにんじんなど、好物を手から与えることで「この人はいいことをくれる存在」と覚えてくれます。
ライの場合も、最初に手から受け取ってくれたのは大好きなえん麦でした。その瞬間は本当に嬉しく、信頼が一歩前進したと実感できました。

環境(音・匂い・光)を整えてあげる
リチャードソンジリスは音や匂いにとても敏感です。テレビの音量が大きかったり、掃除機を頻繁にかけたり、強い香水の匂いが漂っていると、それだけでストレスを感じてしまいます。
また、ケージに直射日光が当たる場所も落ち着けません。慣れさせたいときほど、静かで安心できる環境を整えてあげることが大切です。
ライも夏場にエアコンの風が直接ケージに当たってしまったときには、数日間落ち着かない様子を見せました。環境の小さな変化が「なつかない原因」になることもあるので、気を配ってあげることが信頼関係づくりにつながります。
ライのリアル体験でわかったこと
初めてうさぎを飼ったときの感覚で「小動物はある程度は触らせてくれるだろう」と思っていた私にとっては、かなりのギャップでした。
それでも「無理に触らない」「距離を保つ」ことを心がけながら、少しずつ信頼関係を築いていきました。最初に変化が見えたのは、名前を呼んだときに一瞬こちらを振り返ったとき。
ほんの小さな反応でしたが、「こちらを意識してくれている」と感じた瞬間でした。

次のステップは、手からおやつを受け取ってくれたことです。大好きなえん麦を差し出すと、恐る恐る近づいてきて、ついに私の手から口に入れてくれました。
その時の感動は今でも鮮明に覚えています。「ああ、この子は少しずつ心を開いてくれているんだ」と。
ただし、順調な時ばかりではありません。発情期が始まると、一時的にまた距離が開いてしまうこともありました。足を噛もうとしたり、においが強くなったり、触れ合いどころではない時期もありました。
ですが「今はそういう時期」と割り切り、無理に触らずケージ越しの関わりに徹することで、発情期を過ぎれば再び距離を縮められることを学びました。

なかなか慣れないときの対処法

ストレスから攻撃的な行動になることも
慣れない子の中には、近づいただけで威嚇する、足を狙って噛むなど攻撃的な行動を見せるケースもあります。これは「飼い主が嫌い」というより、強いストレスや恐怖心の表れです。
こういう時に無理に手を出すと、かえって不信感を与えてしまい、距離がますます広がってしまいます。
我が家のライも、発情期の最中は足を噛もうと飛びついてきたことがありました。最初はショックでしたが、「嫌われたのではなく、ストレスでそうなっている」と理解してからは気持ちが楽になりました。
対応としては、ケージに布をかけて視界を落ち着かせる、掃除や世話は短時間で済ませるなど、環境を一時的に静かにしてあげると効果的です。

環境変化に敏感な子には無理をさせない
引っ越しや模様替え、ケージの移動など、環境の変化は臆病な子にとって大きなストレスです。急な変化の後は、普段以上に「懐かない」と感じるかもしれません。
ライも一度ケージの位置を変えたときに数日間落ち着かなくなり、手を差し出しても逃げてしまうことがありました。元の場所に戻すと徐々に行動が落ち着いたことから、「環境の安定」が信頼関係づくりに直結するのだと実感しました。

発情期が原因かも?周期を把握して対応する
なかなか懐かない原因が「発情期」にあるケースも少なくありません。ホルモンバランスが大きく変化する時期は、普段以上に神経質になりやすく、攻撃性が出ることもあります。
ライも発情期の約1ヶ月間は、普段食べているペレットに見向きもせず、小松菜しか食べなくなったことがありました。この時期に無理に慣らそうとしても逆効果です。
周期を把握して「今は発情期だから仕方ない」と受け止めるだけでも、飼い主の心が楽になります。時期を過ぎれば、再び落ち着きを取り戻す子も多いので、焦らずに見守ってあげましょう。

慣れたあとはどうなる?

「本当に懐いてくれる日が来るのかな…」と不安になる方も多いですが、一度信頼関係が築けると、行動は大きく変わります。最初は逃げ回っていた子でも、飼い主の声や気配を覚え、近づいてきてくれるようになるのです。
ライも、時間をかけて距離を縮めていくうちに、今では呼びかけに反応して顔を出したり、手からおやつを受け取ってくれるようになりました。
慣れてくると、世話のしやすさも大きく変わります。掃除や健康チェックもしやすくなり、病気の早期発見にもつながります。さらに「一緒に過ごす楽しみ」が増えることで、飼い主にとってもかけがえのない存在になります。

まとめ:「焦らず、信じて待つのが一番の近道」

リチャードソンジリスがなつかないのは、ごく自然なことです。臆病な性格や発情期、環境の変化やお迎え時の背景など、理由はいくつもあります。ですが、その一つひとつを理解し、時間をかけて信頼を積み重ねることで、少しずつ距離を縮めていけます。
「なかなか懐いてくれない」と悩んでいる方は、ぜひ今回ご紹介した方法を取り入れてみてください。そして何より、リチャードソンジリスの個性を理解し、その子のペースに合わせた関わり方を意識することが、信頼関係づくりの一番の近道になります。
コメント