リチャードソンジリスは、野生では地中にトンネル状の巣を掘り、いくつもの部屋を作って暮らしています。
そんな本能が今も強く残っており、飼育下でもティッシュや牧草を運んで寝床を作る姿が見られます。
一方で、すべての子が同じように巣作りをするわけではありません。
性格や環境、体調によって行動はさまざまで、安心できる場所の形もそれぞれ異なります。
この記事では、リチャードソンジリスの巣作り本能やおすすめの巣材、安全で快適に過ごせる環境づくりのコツを、
我が家の「ライ」の様子を交えながら詳しくご紹介します。
初めて飼う方や、巣作りをあまりしない子に悩んでいる方も、ぜひ参考にしてみてください。

リチャードソンジリスの巣作りとは?

リチャードソンジリスは、野生では地中にトンネルを掘り、複数の部屋を作って暮らす習性を持っています。
そのため、飼育下でも次のような巣作り行動がよく見られます。
- 寝床を整えるためにティッシュや牧草を運ぶ
- ゲージの隅にものを集めて巣のような形を作る
- 気に入った場所にトンネルや小部屋を作ろうとする
巣作りが特に活発になるのは、季節の変わり目から冬にかけてです。
リチャードソンジリスは気温の変化に敏感で、次のような理由から巣作りに熱心になります。
- 寒さに備えて、保温できる寝床を作る
- 発情期の前後で、落ち着ける場所を確保する
- 換毛期など、体調変化に合わせて安心できる空間を求める
中には春や夏も巣作りを続ける子もおり、個体によって行動の差が大きいのも特徴です。
巣作りの最中は普段より神経質になることもあるため、無理に巣を壊したり手を入れたりせず、少し距離を置いて見守ることが大切です。
巣作りに適した素材

リチャードソンジリスの巣材を選ぶときは、安全性・保温性・通気性の3つがポイントです。
体を包み込むような柔らかい素材を好むため、次のようなアイテムを組み合わせて使うと快適に過ごせます。
① 牧草(チモシー・オーツヘイなど)
- 自然に近い素材で安心して使える
- 食用にもなるため誤食の心配が少ない
- 香りが良く、寝床に敷くとリラックス効果もある
チモシーは弾力があり、寝床の土台にぴったり。
柔らかめのオーツヘイは体の下に敷くとふんわり感が出て、冬場におすすめです。
② ペーパー系床材
- 吸湿性と通気性が高く、衛生的に保てる
- 埃が立ちにくく、アレルギー対策にも適している
- やわらかく扱いやすいため、巣の形を作りやすい
特におすすめはKAMIYUKA ふんわりペーパーマットなどのふんわりタイプ。
短い繊維でできているため、誤飲のリスクが少なく安全です。
③ ティッシュやキッチンペーパー
- 手軽に準備できる素材で、初期環境に便利
- 柔らかく、保温性もそこそこ高い
- 短く裂いて与えると扱いやすく、形を作りやすい
ただし湿気を吸いやすいため、汚れた部分は毎日こまめに交換しましょう。
④ わらマット・木製ハウス
- 通気性に優れ、かじっても安心な天然素材
- トンネルのような巣穴を作るのが好きな子に最適
- 冬は保温、夏は通気と季節に合わせて使える
わらマットは巣箱の底敷きにも向いており、湿気がこもらないよう定期的に乾燥・交換を行いましょう。ただし、化学繊維の綿状素材(白いわたなど)は足や歯に絡まる恐れがあるため避けましょう。
リチャードソンジリスの巣作りにおすすめの紙素材5選【楽天で購入可能】
① GEX ハムキュート 消臭ペーパーマット 700g
無香料で、リチャードソンジリスの巣作り本能を自然に引き出してくれます。
- 「軽くて運びやすく、巣がふわっと仕上がります。」
- 「臭いが気にならず、掃除も簡単で清潔に使えます。」
② 三晃商会 ケアペーパー 4.5L
- 「粉が少なくて鼻に優しい。うちの小動物もよく運んでいます。」
- 「巣の形が崩れにくく、交換もしやすいです。」
③ マルカン やさしいペーパーマット 1.2kg
- 「ふんわりしていて暖かそう。冬の巣材にぴったりでした。」
- 「交換時のホコリが少なくて助かります。」
④ KAMIYUKA 紙床ペーパーマット ホワイトタイプ 500g
- 「柔らかくて細かいので運びやすい。」
- 「ホワイトタイプで清潔に見えるし、粉が少ないのがいいです。」
⑤ 三晃商会 ノンダスト ソフトペーパー ホワイト 12L
- 「粉が出にくく、鼻が弱い子にも安心して使えました。」
- 「巣材としても使える柔らかさで、掃除も楽です。」
巣作りをしない理由

リチャードソンジリスの中には、巣材を入れても集めず、そのまま寝てしまう子もいます。
しかしこれは異常ではなく、性格や環境、体調によって自然と行動が変わることがあります。
ここでは、巣作りをあまりしない主な理由を3つの視点から整理します。
① 性格による違い
- 警戒心が強い子は、新しい素材や物を避ける傾向がある
- 一方で、落ち着いた性格の子は巣作りをあまり必要と感じない
- お迎え後しばらく経つと、環境に慣れて巣作り行動が減ることも多い
つまり「巣作りしない=ストレス」ではなく、安心して過ごせているサインのこともあります。
② 環境や季節の影響
- 気温や湿度が安定していると、保温のための巣作りが減る
- ゲージ内のレイアウトに満足していると、巣を作る必要がないと判断する
- お気に入りの寝床(フットクッションやマットなど)があると、巣作りを省く傾向がある
特に夏場は熱がこもりやすく、涼しい場所を好むため巣作り行動が控えめになることがあります。
③ 体調や年齢による変化
- 歯や顎にトラブルがあると、牧草などの素材をくわえにくくなることがあります。
- オドントーマや不正咬合のように、噛む力や咀嚼のバランスが変わることで、自然と巣作りの頻度が減る場合もあります。
- 年齢を重ねると活動量が落ち、ゆっくり過ごす時間が増えるため、巣作りよりもお気に入りの場所で休む傾向が強くなります。
- 季節やホルモンの影響で一時的に行動が変わることもあり、発情期前後は落ち着いた場所を好む子もいます。
体調や年齢による行動の変化は、どの子にも起こる自然なことです。
巣作りをしなくなったからといって心配する必要はなく、安心して過ごせる環境を見つけられている証でもあります。
ライの実例:巣作りからフットクッション派へ
我が家のリチャードソンジリス「ライ」は、お迎えした当初は巣作りをよくしていました。
ティッシュや牧草を口にくわえてゲージの隅に集め、器用に寝床を整える姿がとても印象的でした。
ところが、フットクッションを与えてからは、まったく巣作りをしなくなりました。
初めてその中に潜り込んだ瞬間から、すっかり気に入ってしまったようで、今ではその中が定位置になっています。
上の歯が1本しかなく、オドントーマ(歯の腫瘍)や不正咬合の影響で巣材を運びにくくなったことも考えられます。
それとも、フットクッションの柔らかさや温かさが「巣作りをするより快適」と感じさせたのかもしれません。
最近では、そのクッションの中でご飯を食べることも多く、まるで“自分だけの部屋”のように使っています。
巣を作るという行動は減りましたが、安心できる場所を見つけたライなりの「巣作り」と言えるのかもしれません。
季節によって潜り方も変わり、寒い日はすっぽりと中に入り、暑い日は入口付近で体の半分だけを入れて過ごすなど、
その日の気分や気温に合わせて上手に調整しています。
リチャードソンジリスの巣作りには明確な“正解”はなく、それぞれが自分のペースで安心を求めています。
ライを見ていると、巣の形よりも「安心して休める場所」をどう感じているかが大切だと実感します。
口コミ:他の飼い主さんの巣作り事情

リチャードソンジリスの巣作りには個体差があり、家庭によってそのスタイルはさまざまです。
ここでは、実際に飼っている方々の声をいくつかご紹介します。
- 「最初はティッシュを集めていましたが、今はお気に入りの布マットの上で寝ています。」
→ 環境に慣れると巣作りをしなくなるケースも多く、安心している証拠のようです。 - 「わらマットを入れてあげたら、自分でトンネルみたいに形を整えて潜るようになりました。」
→ 牧草やわら系の素材を好む子は、巣穴づくりを楽しむ傾向があります。 - 「ペーパー床材を入れても遊ぶだけで、巣にはしないです。お気に入りの場所があるみたい。」
→ 巣を作る代わりに“定位置”を決めて過ごすタイプも多いようです。 - 「冬だけ巣作りが復活します。ティッシュを運んで丸くして寝ている姿がとてもかわいいです。」
→ 季節ごとに行動が変わるタイプもおり、気温や湿度が関係していると考えられます。 - 「布を入れたら足に絡まってしまったので、今は紙素材だけにしています。」
→ 安全面を重視する声も多く、素材選びの重要性がわかります。
このように、巣作りをする・しないにはそれぞれ理由があり、どちらも自然な行動です。
大切なのは、その子が安心して過ごせる場所を見つけているかどうか。
巣を作らなくても、気に入ったマットやクッションの上でくつろいでいる姿は、それだけで幸せの証です。
フットクッションを使う際のメリットと注意点

リチャードソンジリスの寝床として人気が高まっているのが、フットクッションです。
ライもこのタイプを愛用していますが、使い方によっては巣材の代わりとして非常に優れた環境を作ることができます。
フットクッションのメリット
- 体にフィットして安心感がある
包み込まれるような形状で、巣穴に入っている感覚を再現できます。 - 保温性が高く、冬でも暖かい
中綿入りのタイプは熱を逃がしにくく、ヒーターなしでもぬくもりを保ちやすい構造です。 - 振動や音をやわらげる
足音やケージの揺れを吸収してくれるため、神経質な子でも落ち着いて休めます。 - 洗濯ができて衛生的
汚れた部分をこまめに洗えるため、清潔に保ちやすいのも大きなメリットです。
使用時の注意点
- 糸や生地のほつれに注意
足の爪や歯に絡まると危険なので、破れや毛羽立ちが見られたら早めに交換しましょう。 - 温度が上がりすぎないように管理する
ヒーターと併用する場合は、布を1枚挟んで熱がこもらないように調整します。 - 湿気とカビ対策を忘れずに
通気性の悪い場所に置くと内部に湿気がたまりやすいため、定期的に日干しすると快適です。 - 誤飲・かじり癖のチェック
布の端をかじる癖がある場合は、布系素材よりペーパー系巣材のほうが安心です。
ライのように気に入ってくれる子もいれば、牧草や紙素材を好む子もいるため、その子に合った快適な寝床環境を見つけてあげることが何より大切です。
まとめ:その子なりの“安心の形”を見つけてあげよう

リチャードソンジリスの巣作りは、本能からくる自然な行動です。
牧草やティッシュを集めて寝床を作る子もいれば、巣作りをせずにお気に入りのクッションやマットで過ごす子もいます。
どちらの行動にも意味があり、「巣を作る=元気」「作らない=異常」というわけではありません。
環境や性格、体調によって、安心できる形はそれぞれ違って当然です。
ライのようにフットクッションを“巣の代わり”に選ぶ子もいれば、わらマットやペーパー床材を好む子もいます。
大切なのは、飼い主がその子の行動をよく観察し、「安心して休めているか」を感じ取ってあげることです。
巣作りの仕方は十匹十色。
その子が自分らしくリラックスできる場所を見つけられたなら、そこがいちばんの“巣”なのかもしれません。
これから巣材を選ぶ方は、いくつか試しながら、その子の反応を見てあげてください。
きっと、あなたのジリスにぴったりの「安心の形」が見つかるはずです。

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