まんまるな体にクリクリの目。砂浴びする姿がとにかく可愛くて、「この子と暮らしたい!」と思った方も多いのではないでしょうか?
私もその一人で、「ライ」というリチャードソンジリスと一緒に暮らしています。
でも実際に飼ってみると、SNSや動画では見えない「リアルな大変さ」が山のようにあることを痛感しました。
この記事では、お迎え前に知っておいてほしい“覚悟ポイント”を、実際に暮らして感じたことと調査した情報をもとに10項目にまとめてお伝えします。
発情期は本当にキツい。食べない、怒る、そして…臭い
ライが初めて発情期に入ったとき、「えっ、どうしちゃったの…?」と本気で戸惑いました。
まず驚いたのが急な食欲低下。
いつもは大好きなおやつにも見向きもしなくなり、代わりに回し車を爆走し、砂浴びを何度も何度も繰り返す日々。
目はギラつき、落ち着きがなくなり、見るからに「いつものライじゃない」状態に。
そして最大の試練がにおいです。
フェロモンの影響か、ケージの中の空気がガラリと変わり、部屋に入った瞬間「うっ」となるほどの強烈さ。
空気清浄機は24時間フル稼働、こまめな掃除も欠かせなくなりました。
それでも、そういう時期だと理解して付き合っていくしかありません。

発情期が終わると食べすぎ注意!肥満のリスクが高い
発情期が終わると、「やっと落ち着いた…」と安心したくなるのですが、次にやってくるのが食欲の爆発です。
ライも発情期が終わった途端、スイッチが切り替わったかのように「何かちょうだい!」アピールが止まりませんでした。目が合うと前足で立ち上がり、可愛い顔で見つめてくるので、つい甘やかしたくなるんです。でも、そこが危険なんですよね。
我が家でも、おやつの種類やタイミングを見直して、「ほんのひとつまみだけ」を徹底するようになりました。

狭い場所に入りたがる習性=迷子や事故に注意!

ライを部屋んぽさせるとき、一番ヒヤヒヤするのが狭い場所への突入です。
テレビの裏、タンスのすき間、家具と壁のちょっとした隙間…
「えっ、そこ入れるの!?」というような場所に、迷いもなくズンズン入っていこうとします。
一度、ソファの裏に入り込んでしまって、しばらく出てこなくなったときは本気で焦りました。
無理に引っ張り出すこともできず、「呼んでも出てこない」恐怖感が今でも忘れられません。

とにかく噛む!前歯の管理と家具破壊対策
リチャードソンジリスを飼い始めて最初に驚いたのが、「あ、家具ってこんなに簡単にかじられるんだ…」という現実でした。
ライは歯が1本しかないのでまだ控えめなのですが、普通の子は本気でかじります。
木の脚、壁の角、電源コード、金属の柵、布まで…とにかく何でも対象です。
さらに厄介なのが歯のトラブル。
ライは実際に「オドントーマ(歯の腫瘍)」を患い、食べられなくなり、手術を受けました。
ごはんを食べたいのに、痛くて食べられない。
見ているこちらも辛く、毎日すりつぶした野菜やペレットを口元に運んでいました。

病院と保険は必須。お迎え前に確認しよう

「小動物OK」と書かれた動物病院、たくさんあるように見えますよね。
でも実際には、リチャードソンジリスは診られないというケースも少なくありません。
ライの主治医を探すときも、電話で断られたり、「診察したことがないので…」と言われたり。
いざというときに駆け込める病院がないと、ほんとうに不安です。
さらに、医療費の高さにも覚悟が必要です。
ライのオドントーマの手術では、保険が適用されて助かりましたが、もし無保険だったら…と思うとゾッとします。

脱走・逃走の名人!油断したスキにいなくなる

リチャードソンジリスを飼っていてヒヤッとした瞬間、何度もあります。その中でも一番焦ったのが脱走事件でした。
ライはとてもすばしっこくて、こちらがちょっとケージの扉を閉め忘れたほんの数秒のスキに、スルッと外へ…。
気づいたときには姿が見えず、家中を探し回ることに。
結果的には、押し入れの奥の布団のすき間で丸まっていたのですが、本当に心臓が止まるかと思いました。

音に敏感!鳴き声や足ダンで驚かされることも

リチャードソンジリスって、静かな生き物だと思っていませんか?私もそう思っていました。でも実際に暮らしてみると、その認識は変わります。
ライはとても音に敏感で、外の工事の音、宅配のピンポン、家族の足音などにピクッと反応し、「キッ!」という鋭い声を出すことがあります。
また、驚いたときや警戒しているときは、うさぎのように後ろ足で「ダン!」と床を叩く「足ダン」も。
夜中に突然足ダンされて飛び起きたこともあります。

トイレは覚える子もいるけど…部屋んぽでは掃除覚悟で

ライはケージの右奥をトイレにしています。お迎えしてからしばらく様子を見ていると、毎回そこにおしっこをしていたので、「この子はトイレ覚えるタイプかも」と思い、ペットシーツで囲って環境を整えました。
それ以来、ケージ内ではほぼその場所を使ってくれています。
「ケージ内で決まった場所にしてくれるならOK」「部屋んぽ中は掃除前提で楽しもう」くらいの気持ちでいた方が、精神的にもラクだと思います。

寿命が短い(3〜5年)。別れは意外と早く訪れる

これは、お迎え前に絶対に知っておいてほしいポイントです。
どれだけ可愛くても、どれだけ毎日癒やされても、いつか必ず「別れの日」がやってきます。
これはどんなペットにも言えることですが、ジリスの場合はとくに早く感じやすいかもしれません。
でも、だからこそ一日一日を大切に過ごしたいと、心から思えるようになりました。
ライと一緒に過ごす時間は、当たり前じゃない。そう思って抱きしめる毎日です。

旅行・外出ができない!預け先がない現実

意外と見落とされがちですが、リチャードソンジリスは預けにくい動物です。
我が家も、旅行や帰省の際は完全にスケジュールをジリス中心に組む生活に変わりました。
突発的な外出や長時間の留守も難しくなるため、「ペットがいると身動きが取りにくい」という実感を、ジリスで強く感じるようになったのも事実です。

✅ まとめ:かわいいだけじゃ乗り越えられない

リチャードソンジリスは、見た目の可愛さとは裏腹に、とても繊細で手のかかる生き物です。
でも、そんな大変さを知った上で、しっかり準備と覚悟をして迎えた子は、本当にかけがえのない存在になります。ライが私の膝の上で安心して眠る姿や、名前を呼んで走ってくる姿を見るたびに、「この子と出会えてよかった」と心から思います。
リチャードソンジリスとの暮らしには、「やばい」瞬間も確かにあります。
でも、それを超えてくる愛おしさと絆が、確かにここにあります。

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