「リチャードソンジリスとシマリスって同じリスの仲間だけど、どう違うの?」そんな疑問を持つ方は少なくありません。見た目が似ているようでいて、実は生態や性格、飼育のしやすさに大きな違いがあります。
この記事では、リチャードソンジリスとシマリスの違いを分かりやすく徹底比較。生息地や体の特徴、性格や習性、食べるもの、さらには飼育の難易度や寿命まで詳しく解説します。
これからどちらを飼おうか迷っている方や、純粋に違いを知りたい方の参考になる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

リチャードソンジリスとシマリスの基本情報

まずは、それぞれのリスがどのような種類に属し、どんな場所で暮らしているのかを見ていきましょう。名前は似ていますが、実は属するグループや生息環境に大きな違いがあります。
生息地の違い
リチャードソンジリスは北アメリカに広く分布し、カナダやアメリカ北部の草原(プレーリー)に生息しています。地面に巣穴を掘って暮らす「地リス」の一種で、群れで生活するのが特徴です。
シマリスはアジアを中心に分布し、日本でも北海道や本州の一部で見られます。森林や林に生息し、木登りも得意ですが、地面に巣穴を作って生活することもあります。単独で行動することが多いのも特徴です。
体の大きさ・見た目の違い
リチャードソンジリスは体長25〜30cmほどと、シマリスよりやや大きめです。体型はずんぐりしており、尻尾は短く5〜10cmほどしかありません。毛色は黄土色や薄茶色で、模様がほとんどなく全体的に単色です。
シマリスは体長13〜16cmと小柄で、尻尾は体と同じくらいの長さ(10〜14cm)があります。背中に5本の縦じま模様が入っているのが大きな特徴で、名前の由来にもなっています。全体的にすばしっこい印象を与えるリスです。

性格や習性の違い

リチャードソンジリスとシマリスは、見た目だけでなく性格や習性にも大きな違いがあります。飼育する際の接し方や注意点にも直結するポイントなので、しっかり確認しておきましょう。
群れで暮らすか、単独か
リチャードソンジリスは野生下で群れを作って生活する社会性のある動物です。そのため人にも慣れやすく、個体によっては飼い主に寄り添うような行動を見せることもあります。
ただし、発情期になるとオスを中心に気が荒くなることもあるため注意が必要です。
シマリスは基本的に単独行動を好みます。なわばり意識が強く、他の個体と同じケージで飼うとケンカになる可能性が高いため、多頭飼いには向きません。そのため、1匹を大切に育てるスタイルが一般的です。

冬眠の有無
リチャードソンジリスは寒い地域に生息しており、野生では冬眠をします。飼育下でも室温が下がると冬眠状態に入る場合がありますが、体力を消耗して命に関わるリスクがあるため、冬は暖かい環境を整えることが重要です。
シマリスも冬眠の習性を持っています。特に外飼いや寒い環境では自然に冬眠に入りますが、ペットとして飼う場合には無理に冬眠させず、室温管理で健康を守る飼い方が推奨されます。

頬袋の使い方の違い
リチャードソンジリスは頬袋を持っており、食べ物を一時的に入れて運んだり、その場で食べるために利用します。ただし、シマリスのように大量にため込んで冬の食料を備蓄する習性はあまり強くありません。
シマリスも同じく頬袋を持ちますが、特徴的なのは「貯食行動」です。木の実や種子を頬袋に詰め込み、巣穴へ持ち帰って冬の備えをします。この習性がシマリスならではの魅力として広く知られています。
食べるものの違い

リチャードソンジリスとシマリスは、どちらも雑食性ですが、野生での食性や飼育下で与えるべき食べ物には違いがあります。健康を保つためにも、それぞれに合った食事内容を理解しておきましょう。
リチャードソンジリスの食べ物
リチャードソンジリスは草食寄りではありますが、雑食性で昆虫を食べることもあります。野生では草や根、種子を中心に食べつつ、時には昆虫を口にすることもあります。
飼育下では牧草やペレットを主食とし、補助的に動物性タンパクを与えると良いでしょう。
- 牧草(チモシーなど)
- 葉物野菜(小松菜・チンゲン菜・キャベツなど)
- 専用ペレットフード
- おやつとして少量の果物(りんご・梨など)
- 補助的にミルワームなど昆虫類
基本は繊維質を中心にしつつ、ときどきタンパク質を加えることで健康を保ちやすくなります。
シマリスの食べ物
シマリスはより強い雑食性を持ち、木の実や種子に加えて、果物や昆虫も積極的に食べます。
頬袋にためて巣に持ち帰る習性があるため、与えすぎには注意が必要です。
- 木の実(クルミ・ドングリなど)
- 種子(ひまわりの種・かぼちゃの種など)
- 果物(バナナ・りんご・ぶどうなど)
- 昆虫(ミルワームなど)
脂肪分の多い種子類を好むため、主食はペレットや野菜でバランスをとるのが望ましいです。
食性の違いまとめ

飼育のしやすさ比較

リチャードソンジリスとシマリスは、どちらも可愛らしい小動物ですが、飼育のしやすさや注意点には違いがあります。性格の傾向や発情期の特徴を理解しておくと、より快適に一緒に過ごせるでしょう。
リチャードソンジリスの飼育の特徴

リチャードソンジリスは比較的人に慣れやすく、ハムスターやシマリスよりもスキンシップを楽しめる子が多いです。飼い主に撫でられることを好む個体も少なくなく、コミュニケーションが取りやすいと言えます。
一方で、発情期(特にオス)は気が荒くなり、においが強くなることがあります。この期間は扱いに注意が必要です。また、活発に動くため広めのケージや部屋んぽ環境を用意してあげることが望ましいです。

シマリスの飼育の特徴

シマリスは臆病で警戒心が強く、慣れるまでに時間がかかります。なわばり意識が強いので、多頭飼いには不向きです。慣れると手からエサを食べたり、肩に乗ったりと愛らしい行動を見せてくれますが、基本的には「観察して楽しむタイプ」のペットと言えるでしょう。
また、頬袋にエサをため込み、ケージの隅や巣に隠す習性があるため、掃除の際には注意が必要です。冬眠のリスクもあるため、室温管理をしっかり行うことが欠かせません。
動きの違い
リチャードソンジリスは活発ではあるものの、比較的落ち着いた動きを見せることも多く、人に慣れた個体は手で捕まえるのもそこまで難しくありません。部屋んぽ中も飼い主の近くで過ごす姿が見られることがあります。
シマリスはとても素早く、部屋に放すと一瞬で走り回ります。捕まえるのは容易ではなく、慣れていない子を無理に捕まえようとすると強いストレスになります。そのため、ケージの外で遊ばせるときは逃げ場や隙間に注意が必要です。
飼育難易度の比較
ただしどちらも小動物特有のデリケートさがあるため、温度管理・食事・ストレス対策を徹底することが大切です。
寿命・飼育費用の違い

ペットを迎える上で気になるのが寿命と飼育にかかる費用です。どちらも小動物としては長生きする方ですが、平均寿命や飼育コストには違いがあります。
リチャードソンジリスの寿命と費用

リチャードソンジリスの寿命はおよそ6〜8年とされています。小動物の中では比較的長く一緒に過ごせる種類です。飼育費用は、主食となるペレットや牧草代に加え、広めのケージや床材、巣箱などを揃える必要があります。
さらに、発情期特有の体調管理や歯の不正咬合、呼吸器系のトラブルなどで動物病院にかかる場合もあります。治療費は1回数千円〜数万円かかることもあるため、年間で3〜5万円程度の維持費を見込んでおくと安心です。
シマリスの寿命と費用

シマリスの寿命は平均6〜10年と、リチャードソンジリスよりやや幅広いです。飼育方法や環境管理がうまくいけば長生きしてくれることもあります。
費用面では、主食のペレットや種子類のほか、運動用の回し車や止まり木など、活動的な性格に合わせた飼育用品が必要です。また、噛み合わせの不具合や外傷、感染症などで病院にかかることもあり、こちらも年間3〜5万円程度は想定しておくのが安心です。
寿命・費用まとめ
どちらも平均寿命は6〜8年以上で、小動物としては長く付き合える種類です。費用も大きな差はありませんが、リチャードソンジリスは広い飼育スペースが必要で、シマリスは運動用のグッズが必要になるなど、それぞれで設備投資のポイントが異なります。また、どちらの場合も体調不良時の治療費を含めた備えが大切です。

どんな人に向いている?

リチャードソンジリスとシマリスは、どちらも魅力的な小動物ですが、性格や飼育環境の違いから「向いている飼い主のタイプ」も変わってきます。自分のライフスタイルに合った子を選ぶことが、長く一緒に暮らすための大切なポイントです。
リチャードソンジリスが向いている人

- 小動物とスキンシップを取りたい人
- 撫でたり抱っこしたりできる関係を築きたい人
- 発情期のにおいや性格変化に理解がある人
- 広めのケージや部屋んぽスペースを用意できる人
シマリスが向いている人

- 小動物を観察するのが好きな人
- 素早い動きや活発な行動を楽しみたい人
- 単独飼育で1匹を大切に育てたい人
- 頬袋にエサをためる姿や仕草を見て癒されたい人
シマリスはとても活発で警戒心が強いため、無理に触れ合うよりも「見守って楽しむペット」としての魅力が大きいです。小さな動物の自然な仕草を観察したい方に向いています。

まとめ

リチャードソンジリスとシマリスは、同じリス科の仲間ですが、見た目・性格・習性・食性・飼育方法にそれぞれ大きな違いがあります。
- リチャードソンジリス:ずんぐり体型で短い尻尾、草食寄りの雑食。人懐っこくスキンシップを楽しみやすいが、発情期の扱いに注意が必要。
- シマリス:小柄で背中に縞模様、素早い動きが特徴。頬袋にエサをためて冬の備えをする習性があり、観察を楽しむタイプのペット。
どちらも寿命は6〜10年ほどと、小動物としては長生きする部類です。費用面も大きな差はありませんが、飼育スペースや必要なグッズはそれぞれ異なります。
「触れ合いを楽しみたいならリチャードソンジリス」「観察を楽しみたいならシマリス」と考えると、自分に合ったパートナーを選びやすくなるでしょう。どちらを迎えるにしても、十分な知識と環境を整えて、大切な命を最後まで見守ることが一番大切です。
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