毎月の家計を見直すうえで「固定費」をどう抑えるかは大きなテーマです。中でも通信費や光熱費といった支出は、利用する携帯キャリアや経済圏によって差が出やすい部分です。
ドコモ、楽天、au、ソフトバンクといった大手4社は、それぞれ独自の「経済圏」を築いており、スマホ料金だけでなくクレジットカード、光回線、電気代、さらには日常の買い物まで幅広く連携しています。では一体どの経済圏が最も固定費を抑えられるのでしょうか?
本記事では、そもそも固定費とは何かを整理したうえで、4大キャリア経済圏の特徴と固定費削減効果を比較していきます。

そもそも固定費とは?

固定費とは、生活を送る中で毎月ほぼ一定額がかかる支出のことです。変動する食費や娯楽費とは異なり、必ず発生するため家計を圧迫しやすい特徴があります。
主な固定費には以下のようなものがあります。
- 通信費:スマホ代やインターネット回線の料金
- 光熱費:電気・ガス・水道などの基本料金
- 住居費:家賃や住宅ローンの返済
- 保険料:生命保険や医療保険、自動車保険など
- サブスク:動画配信サービスや音楽サービスなどの月額課金
これらは一度契約してしまうと長期間支払いが続くため、見直しの効果が大きい項目です。特に通信費や光熱費は、キャリアや経済圏を活用することで効率的に削減できる可能性があります。
経済圏を使うと固定費が下がる理由

経済圏を活用することで固定費が下がる理由は以下の通りです。
- セット割の活用:スマホと光回線、電気契約をまとめることで通信費や光熱費が割引される
- ポイント還元:クレジットカードやコード決済を利用することで、固定費支払いでもポイントが貯まり実質的に節約できる
- 利用条件による優遇:銀行や証券、保険などを経済圏内で利用すると、さらに還元率が上がる仕組みがある
- 管理の一本化:支払い先をまとめることで無駄な出費を把握しやすく、見直しがしやすい
つまり「経済圏をどこに寄せるか」で毎月の固定費が変わってくるのです。では実際に、ドコモ・楽天・au・ソフトバンクの4大経済圏を比較してみましょう。
固定費の金額目安 — どれくらいかかっている?

固定費の中でも、スマホ代・光回線・電気代・ガス代は毎月ほぼ必ず発生する支出です。
一般的な相場を見てみましょう。
- スマホ代:1人あたり月5,000〜7,000円前後が平均。大手キャリア契約だと月8,000〜1万円に達するケースもあります。
- 光回線:戸建てタイプで月5,000〜6,000円、マンションタイプで月4,000〜5,000円程度。
- 電気代:2〜3人世帯で月8,000〜12,000円が目安。夏や冬は冷暖房でさらに上がりやすい。
- ガス代:都市ガスで月3,000〜5,000円程度。プロパンガス地域ではさらに高額になる傾向。
ドコモ経済圏で固定費をまとめた場合のシミュレーション

ドコモ経済圏では、スマホ・光回線・電気をまとめることで固定費を抑えることができます。
具体的にどの程度の金額差が出るのか、目安を見てみましょう。
- スマホ代:大手キャリア平均で月7,000円 → ドコモ光とのセット割で▲1,100円 → 月5,900円程度
- 光回線:戸建て契約で月5,500円前後。dカード GOLDを利用すれば料金の10%がポイント還元 → 実質5,000円前後
- 電気代:月10,000円の支払いをdでんきにまとめると、100〜200ポイントが還元 → 実質9,800〜9,900円
これらを合計すると、
ただし、dカード GOLDの年会費(11,000円)を考慮すると、カードをしっかり使ってポイントを回収できる家庭向きといえるでしょう。

楽天経済圏で固定費をまとめた場合のシミュレーション

楽天経済圏はスマホ料金の安さとポイント還元の多さが強みです。
楽天モバイル・楽天ひかり・楽天でんきを組み合わせると、固定費を大きく下げられる可能性があります。
- スマホ代:楽天モバイルは月3,278円でデータ無制限(Rakuten最強プラン)。大手キャリア平均7,000円と比べると 月▲3,500円程度 の節約。
- 光回線:楽天ひかりは楽天モバイル契約者なら1年間無料キャンペーン。通常月5,000円程度 → 初年度は 0円、2年目以降も 約4,800円 と相場より安め。
- 電気代:楽天でんきは1世帯平均で月10,000円前後。100〜200ポイント付与されるため、 実質9,800〜9,900円。
これらを合計すると、
ただし、エリアによっては楽天モバイルの通信品質に差があるため、利用環境を確認してから導入することが大切です。

au経済圏で固定費をまとめた場合のシミュレーション

au経済圏は、スマホ料金はやや高めですが、光回線や電気・ガスをまとめることでポイント還元やセット割が受けられるのが強みです。
金融サービス(auじぶん銀行、au PAYカード)との連携で公共料金の支払いにもメリットがあります。
- スマホ代:auの一般的なプランは月7,000円前後。auひかりやUQモバイルとの「スマートバリュー」割引で ▲1,000円 → 月6,000円程度。
- 光回線:auひかりは戸建てで月5,600円前後。スマートバリューでスマホ割引が効くため、実質 5,000円前後 に。
- 電気・ガス代:auでんき+auガスを利用すると、月10,000〜15,000円の支払いに対して1〜5%のPontaポイント還元。月200〜500円相当 → 実質9,500〜9,800円。
これらを合計すると、
スマホ単体では安くありませんが、電気・ガス・金融をまとめることで「固定費全体の底上げ効果」が期待できるのがau経済圏の特徴です。

ソフトバンク経済圏で固定費をまとめた場合のシミュレーション

ソフトバンク経済圏は、スマホと光回線のセット割に加え、電気をまとめることでPayPayポイント還元が受けられるのが特徴です。
特にキャッシュレス決済を多く使う家庭に向いています。
- スマホ代:ソフトバンクのプランは月7,000円前後。ソフトバンク光との「おうち割 光セット」で ▲1,000円 → 月6,000円程度。
- 光回線:ソフトバンク光は戸建てで月5,720円。セット割を考慮すると実質 5,000円前後。
- 電気代:ソフトバンクでんきを月10,000円利用すると、1〜3%分のPayPayポイントが還元 → 実質9,700〜9,900円。
これらを合計すると、
通信料金のベースは高めですが、PayPay決済を生活に取り入れている人にとっては大きな節約につながる経済圏です。

4大キャリア経済圏の固定費比較表

各社のスマホ代・光回線・電気代を合算した場合の月額をまとめました。通常利用時のシミュレーションで比べると、違いがより分かりやすくなります。
経済圏 | スマホ代 | 光回線 | 電気代 | 合計(月額) | 通常との差 |
---|---|---|---|---|---|
ドコモ | 約5,900円 | 約5,000円 | 約9,900円 | 20,800円 | ▲1,700円 |
楽天 | 約3,300円 | 約4,800円 | 約9,900円 | 18,000円 | ▲4,500円 |
au | 約6,000円 | 約5,000円 | 約9,800円 | 20,800円 | ▲1,800円 |
ソフトバンク | 約6,000円 | 約5,000円 | 約9,800円 | 20,800円 | ▲1,900円 |
比較すると、楽天経済圏がもっとも安く、月18,000円前後に抑えられる結果となりました。ドコモ・au・ソフトバンクはほぼ横並びで月20,800円前後に落ち着きます。
つまり「通信費を最優先で抑えたい人は楽天」「安心感やサービス網の広さを重視する人はドコモ・au・ソフトバンク」といった選び方が現実的です。

よくある質問(Q&A)

経済圏をまとめると本当に固定費は下がるの?
家族の人数や利用状況にもよりますが、スマホ・光回線・電気を同じキャリアにまとめるだけで、月2,000〜5,000円の節約が期待できます。
楽天経済圏は安いけど通信エリアが心配です。
大都市部では問題なく使えますが、地方や山間部では弱い場所もあります。日常生活圏での電波状況を確認してから導入すると安心です。
ドコモやau、ソフトバンクは料金が高いのでは?
単体のスマホ料金は高めですが、光回線や電気をまとめてセット割を使えば、実質的には月2万円前後に落ち着くケースが多いです。
経済圏のメリットを受けるにはクレジットカードが必須ですか?
多くの場合、専用カードを使うことでポイント還元率が最大化されます。ドコモならdカード GOLD、楽天なら楽天カード、auならau PAYカード、ソフトバンクならPayPayカードが代表的です。
電気やガスをまとめるのは本当にお得?
電気やガスをまとめても「料金そのもの」は大きく下がりませんが、ポイント還元やセット割を加味すると実質的に数百〜数千円安くなることがあります。
家族で契約するとどの経済圏が一番有利?
家族で3回線以上をまとめるなら、ドコモやau、ソフトバンクのセット割が強力です。1人暮らしなら楽天の安さが有利になる傾向があります。

利用者の口コミ

「スマホ代が半分以下になり、光回線1年無料で助かりました。日常の買い物でもポイントが貯まりやすく、節約効果を実感しています。」
「地方に住んでいますが、エリアによってはまだ電波が弱い場所もあり、仕事で外出する時は不安です。」
「料金は高めですが、電波が安定していて外出先でも困りません。dポイントもコンビニで使えるので便利です。」
「dカード GOLDを作ったら、毎月のポイント還元が大きくて年会費以上のメリットを感じています。」
「auでんきとauガスをまとめたら、思った以上にポイントが返ってきました。公共料金もカードで払えて管理が楽です。」
「スマホ単体では高めですが、UQモバイルに切り替えて経済圏を維持したらコストバランスが良くなりました。」
「PayPayをよく使うので、ポイントがどんどん貯まります。電気代でも還元されるので助かっています。」
「スマホ代は安くないですが、光回線とのセット割とPayPayのポイントで実質的な負担感は少ないです。」
まとめ:自分のライフスタイルに合った経済圏を選ぼう

スマホ・光回線・電気といった固定費は、家庭にとって毎月2万円前後かかる大きな出費です。今回の比較で分かったのは、
- 最も安さを重視するなら楽天経済圏(スマホ代+光回線の圧倒的コスパ)
- 安定した通信品質やブランドの安心感を重視するならドコモ
- 電気・ガスなど生活インフラもまとめたいならau
- キャッシュレス決済を活用して実質負担を減らしたいならソフトバンク
という点です。固定費の削減効果は家庭の人数や利用状況によって変わるため、まずはご自身のスマホ代・光回線・光熱費を把握し、どの経済圏に寄せるのが最も効果的かを検討してみてください。
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