契約社員と正社員の違いとは?給与・待遇・安定性を最新データで比較

契約社員と正社員の違いを解説するアイキャッチ画像

「契約社員と正社員は何が違うの?」「同じ仕事をしているのに待遇に差があるのはなぜ?」と疑問に思ったことはありませんか。実際に契約社員として働いている人の中には、将来の安定性や収入面に不安を感じている方も多いでしょう。

一方で、時代の変化に伴って制度や働き方も少しずつ見直されてきています。2020年に始まった「同一労働同一賃金」や、一定年数働けば無期契約へ転換できる「無期転換ルール」などの制度により、従来よりも待遇差の改善は進んできました。

しかし、厚生労働省の最新調査では、2025年現在でも契約社員と正社員の間には月収で11万円以上の差があり、完全に埋まったわけではありません。

この記事では、契約社員と正社員の違いを「給与」「待遇」「安定性」といったポイントごとに整理し、私自身の契約社員としての経験も交えながら、最新データを踏まえてわかりやすく解説します。これからの働き方やキャリア選びに迷っている方にとって、判断のヒントになるはずです。

近代的なオフィスビルのエントランス。ホワイト企業や働きやすい職場をイメージさせるビジネスシーン。

契約社員と正社員の基本的な違い

会社を辞めたいと悩む男女のビジネスマンのイメージ

雇用形態の違い

正社員は「無期雇用」が前提で、解雇規制も強く安定して働けるのが特徴です。一方、契約社員は「有期雇用」であり、半年や1年など更新制となるのが一般的です。更新が続けば長期で働けるケースもありますが、契約満了とともに雇用が終了するリスクを抱えています。

給与・賞与・昇給の違い

正社員は昇給や賞与が制度として整っており、長く働くほど収入が安定しやすい傾向にあります。対して契約社員は、昇給なし・賞与なし、もしくは支給額が少ない場合が多く、年収ベースで大きな差が出やすいのが現状です。

福利厚生の違い

正社員は住宅手当や退職金、研修制度などの福利厚生が充実している場合が多いです。契約社員も社会保険に加入できるケースはありますが、退職金や手当の対象外になることが多く、福利厚生の幅は限定的です。

仕事内容・責任範囲の違い

現場では契約社員と正社員が同じ業務を担当することも少なくありません。しかし、昇進や管理職登用は正社員が優先されるのが一般的です。そのため、契約社員は正社員と同じ責任を担っていても待遇に反映されにくいという課題があります。

キャリア形成の違い

正社員は長期的にキャリアを積み重ね、昇進やスキルアップの機会を得やすい立場です。一方、契約社員は雇用が限定的で、キャリア形成が会社の都合に左右されやすい点がデメリットといえます。ただし近年は、正社員登用制度や無期転換制度を用意する企業も増えてきています。

契約社員と正社員のメリット・デメリット比較

GOODとBADの木製ブロック メリットとデメリットを表すイメージ

契約社員のメリット

  • 転勤や異動が少なく、生活拠点を変えずに働きやすい
  • フルタイムだけでなく短時間勤務など柔軟な働き方が選べることもある
  • 副業や資格取得など自己投資の時間を確保しやすい
  • 中途採用が多いため、未経験でもチャレンジできる求人が見つかりやすい
  • 正社員より選考が短期間で内定が出やすい傾向がある

契約社員のデメリット

  • 契約更新が前提となり、雇用が安定しにくい
  • 昇給・賞与がないか、支給額が少ない場合が多い
  • 退職金や住宅手当など福利厚生の対象外になることが多い
  • 正社員と同じ業務をしても昇進・昇格の道が限られている
  • クレジットカードや住宅ローンの審査で不利になる場合がある

正社員のメリット

  • 雇用期間の定めがなく、長期的に安定して働ける
  • 昇給・賞与があり、年収の見通しを立てやすい
  • 住宅手当・退職金・研修制度など福利厚生が充実している
  • キャリアアップや管理職登用のチャンスが多い
  • 社会的信用が高く、住宅ローンやクレジットの審査に通りやすい

正社員のデメリット

  • 転勤や異動の可能性があり、生活の自由度が低くなる場合がある
  • 責任が重く、残業や休日出勤が増える傾向がある
  • 部署異動で希望しない業務を担当することもある
  • 人事評価に左右されやすく、昇進や昇給にストレスを感じることがある
  • 柔軟な働き方が難しく、副業禁止の企業も少なくない

契約社員として働いたリアルな体験談

仕事や転職に悩み疲れたサラリーマンのイメージ

仕事内容は同じでも待遇差があった

私自身、過去に契約社員としてスポーツクラブで働いていたことがあります。フロント業務やジムの監視、イベントの企画・運営など、任される仕事内容は正社員と大きな差はありませんでした。むしろ、現場では同じ責任感を求められることが多く、日々忙しく働いていたのを覚えています。

しかし待遇面でははっきりと差がありました。給与は正社員より低く、昇給やボーナスも限定的。仕事ぶりや成果が同じでも、役職や年収に反映されにくい現実を感じ、モチベーションを維持するのが難しい場面もありました。

更新制による不安とプレッシャー

さらに精神的に大きかったのは「契約更新」の存在です。基本的に1年ごとの更新でしたが、上司から「次も契約を継続できるかは分からない」と言われるたびに不安が募りました。職場での人間関係や成果によって更新が左右されるかもしれないというプレッシャーは、常に心のどこかにありました。

実際には更新されるケースが多かったものの、「安定して働ける正社員とは根本的に違う」と痛感した瞬間でした。将来のキャリア設計が立てにくく、長期的な安心感を得にくいのは契約社員ならではの課題だと思います。

柔軟に働けたポジティブな面

もちろん、良い面もありました。契約社員は正社員のように全国転勤や長期的なキャリアプランを会社から強く求められることが少なく、自分のライフスタイルに合わせやすい働き方ができたのはメリットでした。例えば「家庭やプライベートを優先したい」「副業にも挑戦したい」といったニーズには、契約社員という形が合っていたと感じます。

待遇面や安定性では劣る部分がある一方で、働き方の柔軟性という点では契約社員ならではの良さも確かにありました。この二面性を経験できたことは、今後のキャリアを考えるうえで大きな学びとなりました。

時代とともに変化する契約社員の立場(2025年最新データ)

転職スカウトや人材スカウトをイメージしたネットワーク図

雇用・採用ニーズ

2025年4〜6月期の日本の雇用者数は約5,830万人、2024年同期よりも68万人増加し、失業率は2.5%で横ばいを維持しています。

全体的に雇用の底堅さが見られる状況です。また、非正規雇用(契約社員など)の採用予定率は前年から減少傾向にあることも報告されています。

給与格差(正社員vs非正規雇用)

雇用形態月平均賃金(円)
正社員348,600
非正規雇用(契約社員など)233,100

正社員と非正規雇用者の賃金差は約115,500円に達し、男女別でも大きな開きが見られます(男性:約117,700円、女性:約83,900円)

制度による待遇の改善傾向

  • 同一労働同一賃金:2020年施行以降、64%の企業が雇用形態にかかわらず公正な待遇を整備しようとしていますが、労働者側で待遇差の説明を求めたことがある割合はまだ少ない実態があります。
  • 無期転換ルール(有期契約からの転換):5年以上の有期契約後、無期雇用への転換が可能な権利が認められており、契約社員の中でも無期雇用に移行するケースが増えています。

契約社員から正社員になるには?

ノートに職務活動と書かれたページとペンの写真

正社員登用制度を活用する

多くの企業では、契約社員から正社員へステップアップできる「正社員登用制度」を設けています。勤続年数や勤務評価、登用試験(筆記・面接など)が基準となるケースが一般的です。制度があるかどうかは求人票や面接時に必ず確認しましょう。

無期転換ルールを利用する

2013年に導入された「無期転換ルール」により、有期契約で通算5年を超えて働いた場合、労働者が申し込めば無期契約に転換できます。無期契約になれば、契約満了による雇用終了リスクが減り、将来的に正社員登用の対象になる可能性も高まります。

社内で信頼と実績を積む

正社員登用では、日々の勤務態度や成果も大きな評価ポイントです。任された業務に責任感を持って取り組み、周囲からの信頼を得ることで登用試験に推薦されやすくなります。小さな成果の積み重ねがキャリアアップにつながります。

転職活動で正社員を目指す

もし現在の職場に正社員登用制度がない、あるいは昇格のチャンスが少ない場合は、転職活動を視野に入れるのも選択肢の一つです。近年は「契約社員から正社員へ」のキャリアチェンジを支援する転職エージェントも増えており、キャリア相談を活用することで効率的に正社員求人を探せます。

契約社員から正社員になる道は一つではなく、制度を活用する方法もあれば、転職で環境を変える方法もあります。自分に合った選択肢を見極め、行動を起こすことが大切です。

契約社員に向いている人・正社員に向いている人

転職やキャリア相談をするビジネスマンのイメージ

契約社員に向いている人

  • ライフスタイルに合わせて柔軟に働きたい人
  • 副業や資格取得など、仕事以外の時間を確保したい人
  • 転勤や異動を避けて、地域に根ざして働きたい人
  • 特定のスキルや経験を短期間で活かしたい人
  • まずは業界や職場の雰囲気を知ってから正社員を目指したい人

正社員に向いている人

  • 長期的に安定した収入を得たい人
  • キャリアアップや管理職を目指したい人
  • 住宅ローンやクレジットなど社会的信用を重視する人
  • 異動や転勤を通じて幅広い経験を積みたい人
  • 会社の成長とともに自分もキャリアを積み重ねたい人

契約社員と正社員は、どちらが「良い・悪い」ではなく、自分のライフプランやキャリア観によって選ぶべき働き方が変わります。「安定性を重視するか」「柔軟性を重視するか」を基準に考えると、自分に合った選択が見えてくるでしょう。

契約社員と正社員どちらを選ぶべきか?

ノートとペン、黄色い「選び方」のカードの写真

安定性を重視するなら正社員

長期的に働き続けたい、安定した収入や社会的信用を得たいという方には正社員が向いています。正社員は無期雇用で解雇規制も強く、住宅ローンやクレジット審査にも有利です。将来のキャリア形成や昇進を考える場合も、正社員を目指すのが基本路線となります。

柔軟な働き方を求めるなら契約社員

一方で、転勤の少なさや副業のしやすさなど「ライフスタイルに合わせた働き方」を重視するなら、契約社員も選択肢になります。例えば子育てや家庭との両立を優先したい人、副業やフリーランス活動を並行したい人にとって、契約社員の自由度はメリットとなり得ます。

キャリア選択のポイント

重要なのは、自分のキャリアプランに合った選択をすることです。契約社員をスタート地点として経験を積み、正社員登用制度や転職を通じてキャリアを広げる道もあります。また、無期転換ルールや同一労働同一賃金といった制度を活用すれば、以前よりも待遇面で不利になりにくい状況も整いつつあります。

「安定性」か「柔軟性」か、自分が優先したい価値観を整理することで、どちらの働き方が自分に合っているのかが見えてきます。

まとめ|契約社員と正社員の違いを整理

記事のまとめパートに使用するイメージ 重要ポイントを振り返る場面

ここまで、契約社員と正社員の違いを「雇用の安定性」「給与・待遇」「福利厚生」「仕事内容」などの視点から解説し、さらに2025年の最新データも踏まえて整理しました。

項目正社員契約社員
雇用形態無期雇用(解雇規制が強い)有期雇用(更新制、終了リスクあり)
給与・昇給・ボーナス昇給・賞与あり、年収が安定しやすい昇給なし・賞与なしのケースが多い
福利厚生住宅手当・退職金・研修制度など充実最低限の社会保険のみ、制度は限定的
仕事内容責任のある業務、昇進・管理職の道あり業務内容は同じでも昇進は限定的
キャリアの安定性長期的に働きやすく将来設計がしやすい契約更新に不安、キャリア設計が難しい

契約社員と正社員には明確な違いがあり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。安定性を重視するのか、柔軟性を求めるのか、自分のライフスタイルやキャリアプランに合わせて選ぶことが大切です。

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