うさぎをこれから飼いたいと思った時に、まず気になるのが「オスとメス、どちらが飼いやすいのか?」という点ではないでしょうか。
ペットショップや本などでは「オスは甘えん坊で人懐っこい」「メスはクールで縄張り意識が強い」とよく紹介されています。確かに性別による傾向はありますが、実際にうさぎと暮らしてみると個体差が非常に大きいことを実感します。
我が家には現在2羽のオスうさぎがいます。9歳のミニうさぎ「こはく」と、5歳のネザーランドドワーフ「ひすい」です。一般的な説明では「オスは甘えん坊」と書かれていますが、正直なところ、2羽を見ていると必ずしもそうとは言い切れません。
この記事では、一般的に言われるオスとメスの違いに加えて、我が家の体験談を交えながら「本当のところどうなの?」を詳しくお伝えしていきます。

オスとメスの性格の違い

オスの性格
オスはよく「甘えん坊で人懐っこい」と言われます。飼い主のそばに寄ってきて、なでなでをせがんだり、ペロペロ舐めたりする子も多いです。実際、SNSや飼育本の情報を見ると「オスはベタ慣れしやすい」という声が目立ちます。ただしこれはあくまで“傾向”であり、すべてのオスに当てはまるわけではありません。
我が家の例を紹介すると、こはくは9歳のミニうさぎで、確かになでなでは好きです。撫でていると目を細めてじっとしてくれるので、甘えてくれているように感じます。

しかし一方で、抱っこは大嫌い。抱き上げようとすると暴れて逃げようとするので、病院へ連れていく時以外は極力抱っこを避けています。「甘えん坊=抱っこ好き」と考えていた私には少し意外でした。

人のそばに来ることはあっても、積極的に甘えるというよりは「マイペースに過ごしている」という印象です。
なでなでをすれば受け入れてくれますが、自分から要求してくることはあまりありません。
このように、オスだからといって必ず甘えん坊になるわけではないのだと、日々の生活を通して実感しています。
むしろ「その子の性格次第」で、オス同士でも大きな違いがあるのです。
メスの性格
一方でメスは「クールで縄張り意識が強い」と言われます。
発情期には気性が荒くなったり、巣作り行動として自分の毛を抜いて巣を作ったりすることもあり、飼い主から見ると少し扱いにくいと感じることもあります。
ただ、私が昔飼っていたメスのうさぎは必ずしも“クール”ではなく、なでなでも好きで、よく寄ってきてくれる子でした。ただし、縄張り意識は確かに強く、新しく迎えたオスと一緒にしたところ交尾してしまい、気づいたら妊娠・出産していた経験があります。
この出来事から「メスはメスなりに懐っこさもあるけれど、行動面では注意が必要」だと学びました。
つまり、メスも「クールだから飼いやすい」「扱いにくい」という一言では片付けられません。
性格は個体によって大きく異なり、オス以上に行動面で驚かされることがあるのもメスうさぎの特徴かもしれません。

オスとメスの行動の違い

オスに多い行動
発情期や縄張りを意識した時に、壁や家具に向かっておしっこを飛ばすようにまき散らすため、飼い主にとっては大きな悩みのひとつになります。特に若いうちは頻度が高く、部屋んぽに出すと数分でスプレーする子も少なくありません。
逆に9歳のこはくは、若い頃はスプレーが目立ちましたが、今は年齢のせいか控えめになっています。
この違いは、オスうさぎの行動が年齢やホルモン状態で変化することを示していると感じます。
また、オスはなでなでを好む傾向があり、人のそばでゴロンと横になる姿もよく見られます。
ただし「甘えん坊だから必ずそうする」とは限らず、個体差は大きい点に注意が必要です。
メスに多い行動
自分の毛をむしって集め、牧草や紙を使って巣を作る様子は、本能的な行動としてよく見られます。
飼い主にとっては驚く光景ですが、自然な行動なので叱る必要はありません。
その一方で、気分が落ち着いている時は甘えてきたり、飼い主の後をついて回ることもあり、振れ幅の大きさがメスうさぎの魅力でもあります。
オスメス共通の行動
オスとメスに限らず、うさぎ全体に見られるのがホリホリ行動です。
床や布団を掘るような仕草は、本能的な習性であり、遊びやストレス解消にもつながっています。
発情期の行動と重なることもありますが、健康なうさぎであれば自然な行動のひとつです。
健康面・寿命の違い

うさぎの寿命は平均で7〜10年ほどとされていますが、最近は医療の進歩や飼育環境の改善によって10歳を超える子も増えてきました。ただし、オスとメスではかかりやすい病気に違いがあり、性別によって注意すべき点が変わってきます。

オスの健康リスク
ただし、発症率はメスの子宮疾患ほど高くはなく、日常の健康チェックや定期的な診察で早期発見できるケースもあります。また、発情期に食欲が落ちたり、スプレー行為で体力を消耗してしまうこともあり、ストレスとの付き合い方が重要です。
我が家のひすいも発情期になると体重が減りやすく、食欲が不安定になることがあります。そのため、牧草の種類を工夫したり、食欲をそそるおやつを少量取り入れるなど、体調管理には気を使っています。

メスの健康リスク
また、妊娠や出産のリスクも忘れてはいけません。
うさぎは交尾のタイミングですぐに妊娠する可能性があり、しかも妊娠期間はわずか1か月ほど。
望まない妊娠によって母体に負担がかかり、命に関わるケースもあるため、オスメスを一緒に飼う場合は特に注意が必要です。
私自身も昔メスのうさぎを飼っていた際、新しく迎えたオスと一緒にしたことで妊娠・出産を経験しました。突然のことだったので大変でしたが、この経験から「オスメスを一緒にすると予期せぬ妊娠のリスクが高い」と痛感しました。

寿命の違い
寿命そのものはオスとメスで大きな差はありません。
ただし、メスは子宮疾患による早期の病気リスクがあるため、結果的にメスの方が寿命が短くなるケースもあります。
一方で、オスは高齢になってから精巣の病気に注意が必要ですが、リスクは比較的低いため、長生きする子も多いです。
大切なのは性別に関係なく、日々の健康チェックを欠かさないこと。
● 体重の変化 ● 食欲や飲水量 ● 糞の状態 ● 行動の変化(元気がない、隅でじっとしている) といったサインを見逃さず、少しでも気になることがあれば早めに動物病院で診てもらうことが長生きの秘訣です。

飼いやすさの違い

確かにオスはなでなでを好んだり、飼い主のそばに寄ってくる子が多く、コミュニケーションを取りやすい傾向があります。一方でスプレー行為や発情期の行動に悩まされる場合もあり、掃除や環境整備の工夫が欠かせません。
メスは自立心が強く、マイペースな子が多いです。
クールに見える反面、一度心を許すととても甘えてきたり、飼い主との絆を深められる子もいます。
ただし、子宮疾患のリスクが高いため、健康面での配慮は必須です。
つまり「飼いやすさ」は性別で一概に決まるものではなく、その子の性格や飼い主との相性による部分が大きいといえます。実際に我が家の2羽もどちらもオスですが、「オスだから甘えん坊」とは言えず、個性豊かな暮らしを送っています。
多頭飼いの注意点

うさぎを複数飼う場合、性別の組み合わせによって注意すべきポイントが異なります。
オス同士の場合
オス同士は縄張り意識が強く、喧嘩になりやすいです。
特に発情期は攻撃的になり、耳をかじったり追いかけ回したりすることもあります。
我が家でもオス同士(こはくとひすい)を飼っていますが、基本は別々のケージで生活し、部屋んぽの時間も一緒にはしていません。どうしても一緒に遊ばせたい場合は、十分に見守りながら短時間だけにするのが安心です。

メス同士の場合
メスも縄張り意識が強いため、喧嘩になることがあります。
ただしオスほど激しくはない場合もあり、相性が合えば一緒に仲良く暮らせるケースもあります。
とはいえ最初から同居させるのではなく、様子を見ながら少しずつ距離を縮めることが大切です。
オスとメスの場合
最も注意が必要なのがオスとメスの組み合わせです。
去勢・避妊をしていない場合、すぐに妊娠してしまう可能性があります。
うさぎは妊娠期間がわずか1か月と非常に短いため、「気づいたら出産していた」というケースも珍しくありません。私自身も昔メスのうさぎを飼っていた際、新しく迎えたオスと一緒にしたことで妊娠・出産を経験しました。この体験から、オスメスを一緒にするリスクの大きさを痛感しています。
多頭飼いを考えている場合は、性別ごとの特徴を理解した上で、別ケージを基本とすること、同居は慎重に進めることが大切です。

まとめ|オスとメスの違いはあくまで傾向

うさぎのオスとメスには、確かに一般的な傾向としての違いがあります。
オスは甘えん坊で人懐っこいと言われますが、スプレー行為や発情期の行動に悩まされることもあります。
メスはクールで縄張り意識が強いと言われますが、子宮疾患のリスクや妊娠・出産といった注意点もあります。
ただし、我が家の「こはく」と「ひすい」を見ていてもわかるように、性格や行動は必ずしも一般論通りではありません。
同じオスでも「なでなでは好きだけど抱っこは大嫌い」「ペロペロもしてくれない」といった個性があり、性別だけで「飼いやすさ」を判断するのは難しいのです。
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