「なんとなく元気がない」「食べる量が少ない気がする」……。
うさぎはとても繊細で、体調を崩してもそれを隠してしまう習性があります。だからこそ、飼い主が日々の観察の中で「ちょっとした異変」に気づくことがとても大切です。
この記事では、うさぎの健康チェックに役立つ7つのポイントを、初心者の方にも分かりやすくご紹介します。
毎日のふれあいの中で、あなたのうさぎさんの健康を守るヒントになりますように。
はじめに：うさぎは体調不良を隠す動物
うさぎは野生下で「弱っていることを悟られないようにする習性」があるため、体調不良があっても元気に見えてしまうことがあります。そのため、飼い主が毎日の観察の中で「小さな異変」に気づくことがとても大切です。
この記事では、うさぎの健康チェックのポイントを7つに絞って解説します。初心者の方でもすぐに実践できる内容ですので、ぜひ日々のケアに取り入れてください。
健康管理の基本については、うさぎの飼い方完全ガイドもあわせてご覧ください。
健康チェック① 食欲と排泄の様子
もっとも分かりやすい健康のバロメーターは「食べ方」と「うんちの状態」です。
- いつも通りの量を食べているか？
- 牧草をちゃんと噛んで食べているか？
- うんちの形・大きさ・量に変化はないか？
- 盲腸糞を残していないか？
● うんちが小さい、数が少ない、形がいびつ、盲腸糞が大量に残っているなどの変化がある場合は、胃腸の動きが弱っているサインかもしれません。
普段の食べ物にも注意が必要です。うさぎに与えてはいけない野菜・果物も確認しておきましょう。
健康チェック② 動き方やジャンプの変化
いつもと比べて「動きが鈍い」「ジャンプが減った」などの変化は、痛みや不調のサインである可能性があります。
- お気に入りの場所に登らなくなった
- 足をかばっているような仕草がある
- 走り回るのを嫌がる
こうした行動の変化は「関節・骨・筋肉系」だけでなく、「お腹の痛み」なども関係している場合があります。
日頃のジャンプや動きの様子は、換毛期のだるさや体力低下とも関係していることがあります。
健康チェック③ 呼吸と鼻の状態
うさぎは鼻呼吸をする動物です。呼吸や鼻の状態は、呼吸器や感染症の異変を見抜くための重要なチェックポイントです。
- 呼吸がいつもより速くないか？
- 口呼吸をしていないか？
- 鼻水が出ていたり、鼻が濡れていないか？
- 鼻の周りが汚れていないか？
呼吸が荒い、鼻から音がする、鼻水が出ているといった場合は、スナッフル（うさぎの風邪）などの呼吸器疾患の可能性もあります。早めの対処が必要です。
健康チェック④ 毛づやとグルーミング
うさぎは本来とても清潔好きで、自分で毎日毛づくろい（グルーミング）をします。毛の状態やグルーミングの頻度も体調を見分けるヒントになります。
- 毛並みにツヤがあるか？
- 毛が部分的に抜けていないか？
- いつも通りグルーミングしているか？
グルーミングをしなくなったり、毛がボサボサになってきた場合は、体調不良やストレスが隠れていることがあります。また、脱毛やフケが見られる場合は皮膚トラブルの可能性も。
健康チェック⑤ 目・耳・口・歯のチェック
顔まわりは毎日のスキンシップの中でチェックしやすい部分です。以下のポイントを見ておきましょう：
- 目やにが出ていないか？充血していないか？
- 耳が臭ったり、赤くなったりしていないか？
- 口の周りがよだれで濡れていないか？
- 歯ぎしりや歯を鳴らす音が異常に多くないか？
特にうさぎは不正咬合（前歯・奥歯の噛み合わせ異常）になりやすく、これが原因で食欲不振になることもあります。異常を感じたら早めに動物病院で歯のチェックを受けましょう。
口や歯のトラブル、腫瘍の発見にもつながりますので、うさぎの腫瘍チェック記事も参考にしてください。
健康チェック⑥ 爪・足裏・お尻の状態
足回りのケアやチェックも見落としがちですが、とても大切です。
- 爪が伸びすぎていないか？
- 足裏が赤くなっていないか？タコのようになっていないか？
- お尻周りが汚れていないか？うんちが付着していないか？
足裏の皮膚が傷んでいると「ソアホック（足裏皮膚炎）」の危険があります。また、お尻の汚れは下痢や盲腸糞の異常が隠れているサインです。定期的にチェックし、清潔を保つよう心がけましょう。
爪切りが苦手な方は、うさぎの爪切りガイドもぜひご参照ください。
健康チェック⑦ ふだんとの違和感
うさぎは個体差が大きく、元気なときの様子もそれぞれ違います。だからこそ「いつもの様子」と違う変化に飼い主が気づくことが、何よりも大切です。
- 目つきが違う、ぼんやりしている
- 触られるのを嫌がるようになった
- 鳴くような声を出す（うさぎは本来鳴きません）
- トイレ以外での粗相が増えた
こういった「なんとなく変だな」「いつもと違うな」と感じる直感も、早期発見の大きな手がかりになります。
体調不良の背景には、隠れた病気があることも。うさぎに多い病気まとめもあわせてチェックしておくと安心です。
動物病院を受診すべきサインと準備
以下のようなサインがある場合は、すぐにうさぎを診てくれるエキゾチックアニマル対応の病院を受診しましょう。
- 半日以上何も食べない・飲まない
- うんちやおしっこが出ない
- 呼吸が荒い、横たわったまま動かない
- 歯ぎしりを繰り返す、痛がる様子
通院時はキャリーに慣れさせておく、排泄物を持参する、動画や写真で異変を記録しておくと診察がスムーズになります。
うさぎの医療費は高額になることもあるため、うさぎ専用のペット保険の検討もおすすめです。
まとめ：小さな変化を見逃さないために
うさぎは「体調が悪い」と言葉では教えてくれません。だからこそ、毎日の観察と信頼関係が命を守るカギになります。
この記事でご紹介したチェックポイントは、どれも特別な道具を使わずに今日から始められるものばかりです。日々のケアに取り入れながら、うさぎさんの健康と長生きを支えていきましょう。
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